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コンサルの始まりとコンサルファームの本質|コンサルティングの歴史

コンサルの始まりとコンサルファームの本質|コンサルティングの歴史

成り立ちやコンサルファームの系譜は違えど、コンサルとしての本質は同じ

昨今、様々なコンサルが市場に氾濫しており、コンサルという言葉がカバーする範囲が非常に幅広く、不明瞭なものとなってきています。そこで、コンサルの成り立ちを知り、振り返ることで、コンサルの本質を改めて認識することにつながるのではないかと考え、コンサルの歴史についてまとめてみました。

1. コンサルの歴史、それは労働生産性改善に対する科学的アプローチが原点

世界で最初のコンサルタント、それはアメリカのフレデリック・W・テイラーであるとされています。
19世紀後半、彼は機械工の経験から工場におけるプロセスの管理方法に着目し、検討を重ね、主に労働生産性の向上を目的とした工場作業の効率化および組織改革などを科学的に実現しました。その後、複数の工場で改革の実践を重ね、標準化し、最終的には自身の研究の集大成「科学的管理法(The Principles of Scientific Management):サイエンティフィック・マネジメント」としてその内容をまとめています。そして、この科学的管理方法によってマネジメントの概念が確立され、それこそが今日の経営コンサルティングの源流となっています。

フレデリック・ウィンズロー・テイラー(1856–1915)
アメリカ合衆国の技術者。
弁護士を目指しハーバード大学法学部へ進学するも、目の疾病により断念し、退学。
機械工見習いから技師の資格を取得し、ミッドベール・スチール社へ就職。コンサルタントとして独立するまでに、約200件にものぼる特許を取得、またスティーブンス工科大学より工学修士を授与。

 

2. 世界初の経営コンサルティングファームってどこ?

一方、世界で最初のコンサルティング会社といえば、1886年設立のアーサー・ディ・リトル(ADL)であるとされています。
当初、技術開発の委託研究を実施していましたが、新たな経営手法の導入プロジェクトをきっかけに、経営コンサルティングファームとして拡大をしていきます。

アーサー・デボン・リトル(1863–1935)
アメリカ合衆国の化学者・化学技術者。アーサー・ディ・リトル創業者。
マサチューセッツ工科大学に進学し化学を学ぶも、経済的な理由から学位取得には至っていない。リッチモンドペーパーカンパニーにて実務経験を得た後、「Griffin en Little, Chemical Engineers」を創業。しかし、共同創業者の急死により改名、「ADL consultancy」とする。

コンサルの黎明期は、経営コンサルと言っても、業務の効率化と最適化によりクライアントの結果につなげるものが中心でした。

3. 日本初の経営コンサルって誰?

日本におけるコンサルの始まりは、上野陽一氏が「科学的管理法の原理」を導入したこととされています。上野氏は小林商店(現在のライオン株式会社)に経営支援を行い、業務効率化をはかることで、大きな成果をあげています。

上野 陽一(1883–1957)
日本の経営学者。産業能率大学創設者。
東京帝国大学文学部卒業、専攻は心理学。卒業後の渡米をきっかけに科学的管理法の研究者となる。フレデリック・テイラー著「科学的管理法」を翻訳し、邦題「能率学」として日本に広めた立役者。日本初の経営コンサルタントとされる。

 

4. 日系コンサルファームの誕生と外資系コンサルファームの日本進出

その後、日本が高度成長期を迎え、企業も海外との取引や海外進出などを行うようになり、コンサルティングのニーズが高まります。1957年にはタナベ経営が創業するなど、以後日系ファームも次々と誕生していきます。

外資のコンサルファームも日本への進出を進め、1966年にボストンコンサルティンググループが日本オフィスを開設し、その後マッキンゼー、A・T・カーニー、アーサー・ディ・リトル、ベイン・アンド・カンパニー、ブーズ・アンド・カンパニーと1980年代までに主要な外資系コンサルティングファームが日本に進出しました。

会計系ファームでは、1981年に等松・青木監査法人のコンサルティング部門から分離独立する形で、等松・トウシュロス コンサルティング(現デロイトトーマツコンサルティングおよびアビームコンサルティングの前身)が設立されています。また、1989年には、アメリカの会計事務所、アーサーアンダーセンのコンサルティング部門が独立しアンダーセン・コンサルティング(2001年アクセンチュアに社名変更)が設立されています。

5. コンサルファームの本質

元が会計事務所であれ、システム会社であれ、源流となる会社の業務では取引の中で多かれ少なかれクライアントの課題を抽出し、その解決の相談に乗っています。会計事務所のように公認会計士や税理士が経営者に対しダイレクトに税務・会計などの相談にのる業務もありますし、その他業種のように企業の上層部に対象業務に対する相談にのる場合もあります。
いずれも、企業のトップまたはそれに近いところと密に対話をするため、コンサルとして経営課題解決に特化したビジネスを興すことができたのです。

多くの種類と系譜のコンサル会社がありますが、コンサルファームとしての本質は同じです。それぞれのファームの源流となる業務やサービスこそ違えど、クライアントの課題の解決を行い、クライアントの結果につなげるという点です。

6. コンサルファームの系譜いろいろ

コンサルファームも様々な系譜があり、会計事務所がクライアントの財務面をコンサルティングすることから始まった会計系や、IT製品やサービスを提供する企業が経営及び業務の最適化をコンサルティングすることから始まったIT系などがあります。
(1) 戦略・経営系
(2) 総合(会計)系
(3) シンクタンク系
(4) IT系
細かく系譜をわけるといくつもの分類が出来てしまいますが、大きなところでは以上の4つほどにわけられるのではないでしょうか。

詳細についてご興味をお持ちの方は、是非次の記事をご覧ください。

Ξ コンサルカオスマップについてはこちら


(本記事は2017年11月20日投稿記事をリライトしたものとなります)

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執筆者

K.A.コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 コンサルティングカンパニー
大手コンサルティングファーム、独立系ファームでの経験を経て、コダワリに入社。
大企業の事業改革、領域・大小を問わずIT案件のPM、品質管理に従事。特に会計系、運輸・旅客、ヘルスケアに強みを持つ。
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