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マッキンゼー・アンド・カンパニー(McKinsey & Company, Inc.)の「あんどかんぱにー」ってなんやねん?

マッキンゼー・アンド・カンパニー(McKinsey & Company, Inc.)の「あんどかんぱにー」ってなんやねん?

「アンド・カンパニー」が何か気になる

コンサルファームの名門といえば、言わずと知れたマッキンゼー・アンド・カンパニー(McKinsey & Company, Inc.)でしょう。同社は1926年、シカゴ大学経営学部教授ジェームズ・O・マッキンゼーが設立したコンサル会社です。今回の記事では、「あんどかんぱにー」の由来、マッキンゼーの歴史、主な出身者などについてについてご紹介します。

なお、本記事は2017年公開の記事をリライトしたものとなります。

CompanyとInc.の意味

マッキンゼー・アンド・カンパニーは38,000人以上の従業員数、130以上の拠点、150億ドル以上の売り上げを誇る、コンサルティング業界の中でもトップといえるコンサルティングファームです。

本記事のタイトルにもなっていますが、McKinsey & Company, Inc.の「アンド・カンパニー」とはどういう意味があるのか気になる方が多いのではないでしょうか。なぜ、会社(株式会社、有限責任会社)を示す単語「Inc.(incorporated)」に、さらに「Company」が付け加えられているのでしょうか?

コンサルの最高峰とも称されるマッキンゼーが命名ミスするとは考えられませんので、よくよく調べてみると、社名に使われている「Company」は、会社を示すものではなく、「仲間たち」を意味するものでした。つまり、「マッキンゼー・アンド・カンパニー」は「マッキンゼーとその仲間たち」という意味になります。

ハイクラスな頭脳集団として、世界各地でその国を代表する企業や政府の戦略を練る集団である故に、凡人には近寄り難い(?)彼らの社名が意外と親しみを持てるものであったことに、少しホッとします。

また、この「アンド・カンパニー」という名称は、近世ヨーロッパで社名を付けるときに一般的であり、「アンド」の前に付けられるのは人名(創業者)に限られます。この名称がついている代表例として以下の会社などが挙げられます。

【アンド・カンパニーがついている会社例】
●ベイン・アンド・カンパニー(Bain & Company 創業者:ビル・ベイン)
●ティファニー(Tiffany & Co. 創業者:チャールズ・ルイス・ティファニー)

コンサルティング業界では、マッキンゼーと共にMBB(マッキンゼー、ベイン、ボスコン)の一角を占めるベインのほか、Strategy&の前身であるブーズ・アンド・カンパニーなどが挙げられます。事業会社となると様々ありますが、世界的に有名な宝飾品会社のティファニーは社名に「アンド・カンパニー」を付けています。

会計事務所から世界的なコンサルティングファームへ

ここで、マッキンゼーの歴史を紐解いてみましょう。

1926年に設立されたマッキンゼーは、1937年に創業者のジェームズ・O・マッキンゼーが亡くなったことをきっかけに、1939年にはシカゴオフィスを率いていたトム・カーニーが独立し、「マッキンゼー&カンパニー」と「マッキンゼー、カーニー&カンパニー」に分かれました。

1947年にカーニーからマッキンゼーのネーミングライツを買うことで、マッキンゼーを名乗るファームは現在の同社のみになりました。(ネーミングライツを売った「カーニー&カンパニー」は現在の「A.T.カーニー」の前身です。)

設立当初は会計と経営工学の事務所だったマッキンゼーが、世界的なコンサルティングファームへと飛躍したキーマンとして、マービン・バウワーが挙げられます。

バウワーが入社してからマッキンゼーはグローバル展開を推進していき、1959年に初となる海外支社をロンドンに開設して以降、ヨーロッパ各地やカナダ、オーストラリア等々世界各国にオフィスを設けていきました。

日本に進出したのは1971年で、現在は東京と大阪にオフィスを構えています。

戦略コンサルティングがメインの同社ですが、昨今は企業に対してDX支援も行うようになっており、「マッキンゼーデジタル」を立ち上げるなどしています。また、ビジネス及び研究機関として調査レポートを公開している「マッキンゼーグローバルインスティテュート」などの組織もあります。

書籍紹介

マッキンゼー社は、豊富な知見を活かして多数の書籍を出版しています。近年のラインナップをご紹介します。

【マッキンゼーが出版した書籍一覧】

・『マッキンゼー CEOエクセレンス: 一流経営者の要件

・『マッキンゼー 勝ち続ける組織の10の法則

・『マッキンゼー 新規事業成功の原則 Leap for growth

・『マッキンゼーが解き明かす、生き残るためのDX

マッキンゼー ネクスト・ノーマル アフターコロナの勝者の条件

・『マッキンゼーが読み解く 食と農の未来

・『企業価値評価 第7版[上] バリュエーションの理論と実践

・『企業価値評価 第7版[下] バリュエーションの理論と実践

マッキンゼー出身者にはどんな人がいるのか?

日本でマッキンゼー出身者といえば大前研一氏でしょう。1972年の日本支社設立当初から約20年間在籍し、日本支社長、アジア太平洋地区責任者まで務めました。業績についてはあまりに多すぎるので割愛します。

マッキンゼーを退職した後に大企業を立ち上げて有名になった方も数多くいます。株式会社ディー・エヌ・エー(DNA) の創業者であり代表取締役会長の南場智子氏もマッキンゼー出身です。携帯電話向けポータルサイト兼SNSのモバゲーの展開から、プロ野球の球団オーナーになるまでに会社を拡大した敏腕経営者です。株式会社ロコンドの創業者である田中裕輔氏も近年では有名な経営者の一人として挙げられるでしょう。

独特なキャリアパスを経ている出身者として、柴山和久氏が挙げられます。日本とイギリスで9年間財務省に勤めた後に、欧州の経営大学院にあたるINSEADを卒業してから2010年にマッキンゼーに入社しました。2015年3月に同社を退職し、その翌月に個人向けの資産運用サービスを展開しているウェルスナビ株式会社を創業しました。

ビジネスだけでなく、政治家として活躍している出身者もおり、代表例として自由民主党の幹事長を務めている茂木敏充氏が挙げられます。

その他にも、
・勝間和代氏(経済評論家)
・近藤正晃ジェームス氏(公益財団法人 国際文化会館 理事長)
・高島宏平氏( オイシックス株式会社 代表取締役社長)
・川鍋一朗氏(日本交通株式会社 代表取締役会長)
・谷村格氏(エムスリー株式会社 代表取締役)
・安達保氏(株式会社ベネッセホールディングス 取締役)
・上山信一氏(慶應義塾大学 名誉教授)

など、企業経営だけでなく大学等の研究分野にもマッキンゼー出身者が多数存在します。名門コンサルファームでの戦略立案経験は、あらゆる分野で役立つことを示しているといえるのではないでしょうか。

ここまでマッキンゼーの会社紹介、「アンド・カンパニー」の意味と由来、書籍紹介、日本国内のマッキンゼー出身者の紹介をしました。

世界的なコンサルティングファームである「マッキンゼー・アンド・カンパニー」について詳しく知ることができたのではないでしょうか?本記事をきっかけに「コンサルティングそのものの歴史について知りたい」と思った方はこちらの記事をご覧ください。

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