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ブティック系コンサルファームカオスマップ2024|新たに8社を追加、コンサルファームの業界地図
2024年度版、少数精鋭、もしくは高い専門性を持つブティック系コンサルファームをカオスマップで見える化
少数精鋭や高い専門性を特徴とするようなコンサルファームが増え続けています。2022年、2023年と「コンサル業界カオスマップ」のブティック系コンサルファーム版を作成しており、2024年も引き続き、創業年と資本金規模でマッピングしたカオスマップを公開致します。2024年版では新たに8社追加し、総勢45社のブティックファームを掲載致しました。
目次
1.ブティック系コンサルとは?
今回初めて記事をご覧いただく方向けに、改めてブティック系コンサルティングファームについて、ご説明いたします。
ブティック系コンサルティングファームとは、小規模ながら少数精鋭でクライアントニーズに応じた高度な支援を行うファームや、特定領域もしくは特定業界に特化したファームのことを指します。企業規模は小さくても大手企業をクライアントとし、様々な種類の案件を扱うことも特徴の一つです。IT領域に特化したブティック系が多いのが潮流ではありますが、戦略策定から実行支援までフルラインでコンサルティングサービスを展開し、総合系ブティックファームと呼べるような会社もあります。
よりブティック系コンサルティングファームについて知りたい方は、ブティック系コンサルティングファームに関する記事を参照ください。
当サイト運営会社発刊のコンサル業界実用書は、ブティック系ファームや大手ファームの紹介をはじめとして、コンサル業界を俯瞰的に理解できる内容になっておりますのでこちらもお手に取って下されば幸いです。
2.ブティック系コンサルカオスマップについて
大手主要コンサルティングファームで構成したコンサルファームカオスマップとは別に、今回のカオスマップはブティック系ファームだけで構成したものとなっております。
主要コンサルティングファームカオスマップでは、支援領域に応じたマッピングでしたが、ブティック版については異なる切り口としております。いずれの企業も得意とする業界や領域等があるものですが、実態の解釈が難しいケースや大きく成長し変化している場合もありますので、ブティック系コンサルファーム版で各社の資本金と創業年というファクトを軸に見える化しております。
※当カオスマップの無断転載、無断使用は禁止させていただきます。
※当カオスマップ記載のロゴにつきましては、事前に各社様に事前許諾を得ていないものがございます。当マップへの掲載に問題がある場合は、大変お手数ですが「お問い合わせ」よりご連絡ください。速やかに修正させていただきます。
3.掲載ファーム一覧
「ブティック系コンサルファームカオスマップ」に掲載されているファームを年代毎に、あいうえお順にてご紹介します。
なお、当記事のリンクをホームページでご紹介いただいた企業様に関しましては、会社概要(住所、代表者、社員数)とホームページURLを記載させていただいております。
2024年版から追加した企業は太字で記載しております。
■~2004年
・株式会社クロスフィールド(Crossfields Co., Ltd.)
・株式会社ジェネックスパートナーズ(Genex Partners)
・株式会社ピー・アンド・イー・ディレクションズ(P&E Directions, Inc.)
・ビュルガーコンサルティング株式会社(Buerger Consulting Inc.)
・株式会社情報技術センター (INFORMATION TECHNICAL CENTER CO.,LTD.)
・ミクレニティ株式会社(Micrenity Co.,Ltd.)
・株式会社システムフロンティア( SYSTEM FRONTIER Co., Ltd. )
■2005年~2009年
・株式会社アクアードコンサルティング(Aqured Consulting Co.,Ltd)
・株式会社キューブアンドカンパニー(Cube & Company)
・コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社(Codawari Business Consulting Inc.
東京都中央区銀座7-16-15 清月堂本店ビル
代表取締役社長 大谷内 隆輔
社員数 28名
・FutureRays株式会社(FutureRays Co.,Ltd.)
・プライマル株式会社(Primal Corp.)
・株式会社MOVER&COMPANY(MOVER&COMPANY CO.,LTD)
・アイフィクシー株式会社( ifixi corporation)
・ソルバーネットワーク株式会社 (Solver Network Co.,Ltd.)
・AES コンサルティング 株式会社(Advanced Enterprise System Consulting Co., Ltd.)
・株式会社B・S・L(BSL Inc.)
・株式会社Gran Manibus(Gran Manibus Co.,LTD)
■2010年~2014年
・Ascent Business Consulting株式会社(Ascent Business Consulting Co Ltd)
・イグニション・ポイント株式会社(IGNITION POINT Inc.)
・イノベーションマネジメント株式会社(Innovation Management co., ltd.)
・エム・アイ・パートナーズ株式会社(M.I.PartnersInc.)
・株式会社ビジョン・コンサルティング(Vision Consulting, Inc.)
・ブリッジシップ株式会社(BridgeShip Co.,Ltd)
・株式会社キタゾエアンドカンパニー(Kitazoe&Co.)
■2015年~2019年
・グロービング株式会社(Globe-ing Inc.)
・株式会社ストラテジーテック・コンサルティング(StrategyTec Consulting)
・株式会社Dirbato(Dirbato Co., Ltd)
・株式会社ノースサンド(NorthSand, Inc.)
・Coum株式会社(Coum Inc.)
・株式会社RCIエージェンシー(RCIagency, Inc.)
・株式会社Logos&Pathos Consulting(Logos&Pathos Consulting, Ltd.)
・ 株式会社ベルテクス・パートナーズ(VERTEX PARTNERS Inc.)
・株式会社Rigrit Partners (Regrit Partners Inc. )
■2020年~
・HorizonHead&company株式会社(Horizon Head & Company Co., Ltd. )
東京都千代田区麹町4-8-1
THE MOCK UP BY PORTAL POINT 103号室
代表取締役:澤村泰一
社員数:非公開
・株式会社YRSKコンサルティング(YSRK inc.)
・株式会社クオンツ・コンサルティング(QUANTS CONSULTING)
・株式会社LASINVA(LASINVA)
・コロニー株式会社(qolony, Inc)
・株式会社アクティヴァーチ・コンサルティング(Activarch Consulting, Inc)
・Gravitation Consulting(GravitationConsulting,Inc.)
・HorizonHead&company株式会社(Horizon Head & Company Co., Ltd.)
・株式会社Groovement(Groovement Inc.)
・株式会社コネクタブルー(CONNECTABLUE, Inc.)
・株式会社SowLab(Sowlab inc.)
・株式会社プテロン・コンサルティング(Pteron Consulting, Inc)
4.考察
2024年版のカオスマップでは、2023年版から更に8社を追加しました。
資本金に関して、創業後10年以上経過しても1,000〜3,000万円の範囲に留まっているファームが一定数存在する一方で、比較的新しいファームの方が、高い資本金を有する傾向があります。
この傾向は全ての企業に当てはまるわけではありませんが、業界の動向を反映している可能性があり、以下のような考察をしてみました。
【考察】
・2020年以降(特に2022~2023年)に新たなブティックファームが複数誕生しており、新進気鋭のファームが業界へ参入する動きがより活発化している。クライアントにとっては、案件依頼先の選択肢が広がる一方で、その中からどのように適切なパートナーを選ぶか、の判断がさらに難しくなってきている印象である。
・新規参入ファームの活発化に対して、既存の一部のブティックファームでは、統合や提携といった形で、更なる競合優位性を確立する動きが見られた。実際に2023年から2024年にかけて、ファーム同士の統廃合や提携がいくつか発生しており、差別化戦略の一つとして、より大きな規模や強力なシナジーを追求することによって、優位性を見出そうとしている。
上述のように、現在は多くのブティックファームが業界内で乱立しており、各社の特徴や違いが分かりづらい状況かと思います。
代表者出身企業一覧
今回は、本カオスマップに掲載しているブティックファームの代表者の経歴に着目し、その企業のサービス提供のスタイルや強みを考察してみました。あくまで推測となるため、一概にそうだと決めつけるものではないですが、案件依頼先として、就職先としてなど、参考程度にお読み頂ければと思います。
業界名 | 企業 | 出身者数 |
コンサル | アクセンチュア | 10 |
ベイカレント | 6 | |
デロイトトーマツコンサルティング | 4 | |
PwC | 2 | |
野村総合研究所 | 2 | |
EY | 2 | |
アビーム | 1 | |
ボストン・コンサルティング・グループ | 1 | |
A.T.カーニー | 1 | |
KPMG | 1 | |
大手ファーム(名称不明) | 1 | |
SIer | NTTデータ | 1 |
株式会社フレームワークス | 1 | |
名称不明 | 1 | |
食品 | 理研ビタミン株式会社 | 1 |
金融 | 三井住友カード | 1 |
M&A | M&A総合研究所 | 1 |
経歴不明 | 経歴不明 | 8 |
※出身ファームの基準は最終所属ファームとしております。
まず、各ブティックファームの代表者出身企業を大きく分類すると、大手コンサルティングファーム出身が最も多く31社、次いでSIer(システムインテグレーター)が3社、その他の業界(食品、金融、M&A)が3社、経歴不明が8社、という順になりました。さらに、大手コンサルティングファーム出身の内訳を詳細に見ていくと、アクセンチュアが最多の10社、ベイカレントが6社、デロイトトーマツコンサルティングが4社と続きます。
これらの数字を見ると、7割近くが大手ファーム出身であり、そこで培われた経験と専門知識を基に、ブティックファームを設立、運営していると推測できます。特に総合系と呼ばれるファーム出身者が多く、彼ら彼女らは大規模プロジェクトの経験が豊富かつ、幅広い業界知識やプロジェクト管理スキル、クライアントとの関係構築能力等を武器に、サービスとしては総合的としつつ、クライアントの要望に合わせて、大手にはない柔軟性と専門性をもってサービス提供をしていると考えられます。(ちなみに、当サイトを運営しているコダワリ・ビジネス・コンサルティングの代表はアクセンチュア出身です。)
一方で戦略系コンサルファーム(マッキンゼーなど)の出身者は少ない傾向があり、出身ファームのサービス提供スタイルが、ブティックファームを新たに設立するか否かの判断に、何か影響を与えている可能性もあります。
また、ベイカレント出身者が創業したファームは、ベイカレントに倣って上場志向が強い印象があります。
SIer出身者は多くないですが、例えば、ITシステムの実装や運用の実務経験を持っているため、技術的な課題に対して、より実践的なアドバイスを提供できる強みがあると考えます。また、上流工程だけでなく、開発工程も含めて支援可能な企業は、昨今のDX化の潮流も相まって、よりニーズが高いと言えるでしょう。
その他の業界出身の代表者については、多様な経歴によって培われた独自の視点と専門性によって、その業界に特化したコンサルティングサービスを提供することができ、ニッチな業界、市場において強い競争力を有すると考えます。
このように、代表者の経歴を見るだけでも、各ブティックファームの強みや特色をある程度推測することができ、クライアントにとって最適なパートナー選びの指標となり得るかと思います。
同時にこの指標は、コンサルタント志望者にとっても、自身の経験や専門性を最大限に活かせそうか否かを判断する材料になるでしょう。より充実したキャリアを築くためには、自分の志向性にあった企業かどうかをよく吟味することが大事です。
最後に
今回の調査や考察はあくまで現時点でのものであり、コンサルティング業界の急速な変化を考慮すると、今後も継続的に注視していくことが必要です。ブティック系ファームの動向を観察することで、コンサルティング業界全体やクライアントニーズの変化をより深く理解することができるかもしれませんので、是非参考にしてみてはいかがでしょうか。
※当社ではコンサルファームご出身の方を中心に、案件ご紹介やポストコンサルの転職支援を行っております。
より裁量をもって仕事をするために独立を検討されている方や違う環境のコンサルファームでキャリアアップ図りたい方等、様々な方面でご相談をいただいております。
フリーランス案件をお探しの方やネクストキャリアをお考えの方は、▼▼こちら▼▼からお気軽にご相談ください。
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執筆者
- アクセンチュアにてファーストキャリアをはじめ、以来20年超コンサル畑で事業戦略からITコンサルまで幅広くこなす。大企業の経営課題に対して包括的に俯瞰し、全体的なロードマップと解決に向けた推進に強みを持つ。
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