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コンサル就活対策~前編~リモート選考時代の「ケース面接」と「グループディスカッション」

コンサル就活対策~前編~リモート選考時代の「ケース面接」と「グループディスカッション」

コンサル就活の面接では何を見られているのか?

コンサル選考プロセスで頻繁に用いられる「ケース面接」と「グループディスカッション」は、近年のリモート選考時代においても依然として重要な役割を果たしています。「ケース面接」では地頭の良さがチェックされる一方で、「グループディスカッション」ではロジカルコミュニケーション能力だけではなく人との関わり方も見られます。この記事では、「ケース面接」と「グループディスカッション」の評価ポイントと注意点について解説しつつ、コミュニケーションスキルの重要性についても説明していきます。

地頭が問われる「ケース面接」

「ケース面接」とは、明確な答えのない問題に対して、制限時間内にいかに論理的な推論を展開することができるかを評価するために行われます。いわゆる「地頭の良さ」をチェックしている課題と言えるでしょう。

ケース面接で見られるポイントには「論理的思考力」「コミュニケーション能力」「柔軟な思考力」の3点があります。

まず、最重視されるのは論理的思考であり、課題を整理し、一貫性のある思考で結論へ導くことが評価されます。次に、質問に正確に答えるだけではなく、面接官との対話で相手に耳を傾け、自分の意見を分かりやすく伝えるコミュニケーション能力も求められます。最後に、柔軟な思考力も見られます。面接官は、フィードバックや意外な質問への反応から柔軟性を評価するので、固定観念に囚われず柔軟に考えることが望ましいでしょう。

また、ケース問題は主に「ビジネス系」「パブリック系」「抽象系」の3種類に分けられます。

最も一般的なのはビジネス系ケースであり、「スターバックスの売上を2倍にする方法」などシンプルな売上・利益向上施策以外に、成長戦略や業界予想に関するテーマが出題される場合もあります。パブリック系問題では、政府系機関やNPO団体などがクライアントとされ、「少子高齢化が進む地方の活性化策」のような社会問題が取り扱われます。抽象系ケースは、「幸せとは何か」といった抽象的なテーマが出題され、近年の選考ではほとんど出題されない傾向です。

ケース問題を解く際に用いられる手法やフレームワークは様々ですが、最も耳にするのはフェルミ推定でしょう。これは、定量的なケース面接のお題でよく活用され、一見割り出すことが難しい数値の概数を、自ら推論したロジックをもとに短時間で求めていく手法です。ケースは、フェルミ推定の応用課題とも言うことができます。

フェルミ推定の例として、「全国に郵便ポストはいくつあるか?」という問いがあります。「人口」という観点でアプローチをしてみましょう。

因数分解:【全国の郵便ポストの数=ポスト数/人口1人×日本の人口】と分解

1.分解要素の推論1「ポスト数/人口1人」:
論理展開をどう組むかが重要となってきます。逆説的に考えると、ポスト1つに関して、何人ぐらいをカバーできれば良いかということです。例えば、ポストはすべて個人用途と想定し、ここは勢いで1,000人あたりに1ポストと定義づけてしまいます。

2.分解要素の推論2「日本の人口」:
推論というか、知っておいて然るべきという数字です。分からなければ間違っていても大体の数字でいいのでコダワリ過ぎないように。

このように考えを進め、数値を導き出します。
全国の郵便ポストの数X=ポスト数(0.001個)/人口1人×日本の人口(約1億3,000万人)
X=約13万個

なお、法人用途や過疎地を考慮した場合、これとは違ったロジックが出てきますが、それらを細かくやるのが重要ではありません。それを逆手に「法人用途の場合は、個人用途のポストで包含しており考えなくて良いと思います。過疎地に関しては、距離的問題で考える必要があるものの市区町村での設置に関する法律も加味すると上記で導かれる数字(約13万個)より多いポスト数が出ると思われます。」と言ってしまえば論理武装が成立します。

正解を出すことがゴールではなく、考え方のプロセスを問うものであり、「相手に頭の回転早いな」と思われれば良く、対策すればできることです。時間を掛けず短い時間で抽出できるようにしておきましょう。

例えば「衰退している商店街に出店しているスポーツ用品店で売上を上げるためにはどのようにしたらよいか?」といった質問に対して、すぐに回答できるでしょうか?

どのようなお題でも対応できるように、上述のビジネス系、パブリック系および抽象系の3種類のケースを全て練習することをおすすめします。また、定量的であろうがなかろうが、ケース問題を前提確認・現状分析・課題抽出・施策立案 (論点分解)の流れで押さえておくと、幅広いケースに対応しやすくなるでしょう。

人間性や一緒に働きたいかを見る「グループディスカッション」

グループディスカッションでは様々な評価観点があるのですが、細かな点にこだわりすぎると、ディスカッションに集中することが難しくなります。面接官は特に、候補者の「人間性」や「この人と一緒に働きたいかどうか」という点に注目します。

コンサルタントの仕事では、仲間やクライアントと良好な人間関係を構築しながら、円滑にプロジェクトを進める能力が求められます。グループディスカッションでの評価点は、個人のロジックよりも、チーム全体の命題への向き合いや、必要な情報整理や議論の軌道修正に貢献できるような役割を果たしているかどうかです。

評価が悪い事例は、知識やロジックに固執し、本質から外れるケースです。実際のプロジェクトでは、ロジックやフレームワークでアプローチしても上手くいかない事は多々あり、柔軟性が不可欠です。

他に意識してほしいのは、聞く姿勢およびグループ全体の進行です。グループディスカッションでは話すことに集中しがちですが、企業は聞き方や結論づけや参加者の均等な発言などを評価します。

グループディスカッションの注意点は、2点あります。まず、多数決を避けましょう。多数決では個々の意見が軽視される可能性があるため、議題に対して論理的に考えられているか、全員の意見をどのように論拠に組み込むかを意識してください。また、テーマを深読みし過ぎないように心がけましょう。テーマを過度に深掘りすると、制限時間内で最適な意見をまとめることが難しなり、議論が脱線する可能性もあります。重要なポイントは、各メンバーの意見を尊重しながら議論を進めることです。

リモート選考で一層重要視されるコミュニケーションスキル

リモート選考が主流となっている現在では、非言語コミュニケーションが制限され、言葉だけで相手に意思や感情を伝えるスキルが求められるなかで、候補者のコミュニケーション能力、つまり相手に伝えたいことを論理的にまとめ、分かりやすく伝える能力がますます重要視されています。

オンライン環境では、候補者の表情や仕草から得られる情報量が少ないため、面接官は候補者の言葉遣いをはじめ声のトーンなどからコミュニケーション能力を判断する傾向にあります。発話のタイミングや声のトーン、相手への気配りといった通常のコミュニケーションに必要な要素はもちろん、論理的思考に基づくコミュニケーション能力は、候補者としての魅力を高めるだけではなく、多くの人と関わるコンサルタントとしての成功にも不可欠な要素と言えるでしょう。

今回は、オンラインが主流となった昨今のコンサル就活においても重要視される「ケース面接」「グループディスカッション」や「コミュニケーションスキル」について解説しました。次回は、「インターン」や戦略特有の「ジョブ」について触れていきたいと思います。

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執筆者

M.I.コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社
主としてDXプロジェクトにおける業務・IT改革の展開・定着化をリード。前職では、プロスポーツチームで法人営業、集客施策の立案・実行、チケッティングを担当。チケットの価格変動制や電子チケット化の運用も経験。
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