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コンサルファームの業界地図2022|コンサルティング会社 カオスマップ

コンサルファームの業界地図2022|コンサルティング会社 カオスマップ

コンサルティング会社ごとの得意領域をカオスマップで見える化。2022年8月時点での業界分類と会社の相関図を直感的に分かるようにまとめました。

人気記事の「カオスマップ」2022年度版に「コンサルティング業界の市場規模」に関する項目を追記しました。本記事は昨年公開した記事のリライトとなります。

当社では2019年から「コンサルティング会社 カオスマップ」を公開し、更新の度に大きな反響をいただいております。2022年、コンサル業界市場は右肩上がりに成長しており、DX、SDGs、カーボンニュートラル、健康経営、ウェルビーイングといった、新しいトレンドが業界に大きな影響を及ぼしています。

「コンサルファーム カオスマップ 2022年度版」では、領域区分名称の更新状況を踏まえながら、65社のコンサルティングファームをマップ化しました。コンサル業界の“今”を見える化するものになっているので、ぜひご覧ください。

コンサルファーム カオスマップ 2022年度版


カオスマップとは、特定業界における事業者を、項目に応じてカテゴライズした「業界地図」です。当社が提供している「コンサルティング会社 カオスマップ」では、コンサルティングファームの得意領域を7つに分類し、さらに詳細に小分類区分を設けています。

市場の急成長にともない、業界構造に大きな変化が起きている今のコンサル業界を直感的に捉えられる内容になっており、業界構造をわかりやすく把握できます。

カオスマップの見方・ポイント

本カオスマップを見る際のポイントをお伝えいたします。

・複雑化する分類を、より実態に沿うように大分類・中分類にカテゴライズ
たとえば、「業務」系は、戦略策定を軸とする「ビジネス」と導入支援を軸とする「IT」に細分化しています。

・明確に線引きできない得意領域を矢印で表現
マップ上の矢印はカバーする領域を示します。矢印上にある企業群は同じ領域に属しますが、位置は順不同であり分類に沿うものではありません。

※弊社調査に基づき主たる領域を示していますが、実態はご自身でご確認いただくことをお勧めいたします。マッキンゼーなどもデジタル部門を作るなどしておりますが、少々領域をカバーしている程度の場合には入れないようにしております。

なお、コンサルティングの7つの領域については、当サイト運営会社発刊のコンサル業界実用書にて詳細に説明をしておりますので、こちらもお手に取って下されば幸いです。

【考察】コンサル業界の現状と今後

カオスマップを参照するにあたって、コンサル業界の現状・今後を知っておく必要があるでしょう。以下では、2022年のコンサル業界におけるトレンドや新しい動きについて、3つの考察を紹介します。

考察1:DX推進支援需要高く、採用積極化含め業界としては引き続き拡大

コンサルティング業界としてはデジタル案件の引き合いが強く引き続き好調です。DX(デジタルトランスフォーメーション)はもはやトレンドや傾向ではなく、クライアントの変革には切っても切り離せないテーマとなったと言えます。

拡大に伴い採用も引き続き積極的なファームが大多数ですが、一部のファームは一歩引いた形で粛々と採用を進めるようになった様にも見受けられます(世界情勢、過剰な急拡大、人材の取り合いによるオファー条件の高騰などを本質的ではないと考えている等が推察されます)。

なお、DXについてより詳しく知りたい場合は、こちらの記事をご参照ください。

考察2:健康経営、カーボンニュートラルなどへの取り組み強化

前段、DXがもはや当たり前のものとなってきたと述べましたが、大手ファームを中心に健康経営、ウェルビーイングなどへの取り組みを一層積極化させていることが顕著です。同じくカーボンニュートラルやSDGs、人的資本経営等のテーマへの支援強化も目立つようになってきています。

これまでのようなクライアントの経営利益に直結する支援だけではなく、持続的な成長や社会課題への取り組みにフォーカスした支援の増加は、クライアントおよび自社の企業価値向上が重視されている表れと言えます。

考察3:業界としては引き続きリモートワーク主体

世間一般ではオフィスへの出社が大分増えてきたようですが、コンサル業界としてはリモートワークが引き続き主体となっています。

そんな中、「リモートワークのおかげで考える時間が増えた」「空いた時間で何かスキル向上になることできないか」等の理由で、現職での仕事以外の案件を見るようになってきた方が増えています。稼動調整し易い副業で知見と経験を積むといった目的のほかにも、ちょっとお小遣い稼ぎというのもありますし、本格的にキャリアを考える方もいらっしゃいます。

コンサル業界の市場規模

DX推進支援の引き合い増加などを理由に、コンサル業界は拡大を続けています。当社は、2021年度のコンサル業界の市場規模を約1.5兆円と算定しました。これは、2017年からの5年間で約1.6倍も成長していることを示しています。

また、コンサルティング領域別の売上高では、総合系が市場規模9,349億円・市場占有率 59.3%となり、コンサル市場を牽引する結果となりました。

コンサルティング市場に関する詳しい調査内容は、こちらの記事をご確認ください。

カオスマップのコンサル業界分類と主要ファーム一覧

「コンサルファーム カオスマップ 2022年度版」の業界分類と主要ファームをご紹介します。各社表記は日本語での正式名称に続き英語での正式名称、略称(一般的に略称が無い場合は省略)としております。

なお、当記事のリンクをホームページでご紹介いただいた企業様に関しましては、会社概要(住所、代表者)とホームページURLを記載させていただいております。

総合系コンサルティングファーム

総合系とされるだけあり幅広い領域をカバーしているため、カオスマップ上には分類区分はありません。ITから事業再生までをカバーするBig4と、戦略からITまでをカバーする7社がここに該当します。
企業規模が大きく、拡大を続けており、SI部門がその成長の下支えになっているファームもあります。
Big4と呼ばれる会計系のコンサルティングファームは世界的にも有名です。

主なファーム
・PwCコンサルティング(PwC Consulting/PwC)【Big4】
・EYストラテジー・アンド・コンサルティング(EY Strategy and Consulting/EYSAC)【Big4】
・KPMGコンサルティング(KPMG Consulting)【Big4】
・デロイト トーマツ コンサルティング(Deloitte Tohmatsu Consulting/DTC)【Big4】
・アクセンチュア(Accenture Japan/AC)
・クニエ(QUNIE)
・ベイカレント・コンサルティング(BayCurrent Consulting)
・日立コンサルティング(Hitachi Consulting)
・アビームコンサルティング(ABeam Consulting/AB)
・シグマクシス(SIGMAXYZ/SX)
ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ(Cambridge Technology Partners/CTP)

東京都港区赤坂2-14-32
代表取締役社長 榊巻 亮

コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社(Codawari Business Consulting Inc.)

東京都中央区銀座7-16-15 清月堂本店ビル
代表取締役社長 大谷内隆輔

など

戦略系コンサルティングファーム

大手企業や外資系企業の中長期の戦略策定の支援をします。
具体的には企業の経営課題を洗い出し、その解決方針を定め、実行のプロセスまでを策定していきます。
企業全体の方針決めに関わるため、少数精鋭で非常に能力が高いコンサルタントが所属しています。

主なファーム
・ベイン・アンド・カンパニー(Bain & Company)
・マッキンゼー・アンド・カンパニー(McKinsey & Company)
・ボストン・コンサルティング・グループ(Boston Consulting Group/BCG)
・A.T. カーニー(A.T.Kearney)
・ローランド・ベルガー(Roland Berger)
・アーサー・D・リトル(ジャパン)(Arthur D Little JAPAN/ADL)
・ドリームインキュベータ(Dream Incubator/DI)
・フィールドマネージメント(Field Management)
・コーポレイト ディレクション(Corporate Directions/CDI)
など

業務系コンサルティングファーム
ビジネス系とIT系コンサルファームがここに属します。

ビジネス系コンサルティングファーム

会社の経営から事業までビジネスに関わる全ての領域に対してコンサルティングサービスを提供します。
SCMやDX(デジタルトランスフォーメーション)、マーケティング戦略、新規事業創発まで幅広くコンサルティングを行っています。

主なファーム
・キャップジェミニ(Capgemini Japan)
・レイヤーズ・コンサルティング(Layers Consulting)
INTLOOP(イントループ)

東京都港区赤坂2-9-11 オリックス赤坂2丁目ビル
代表取締役 林 博文

・スカイライト コンサルティング(Skylight Consulting)
・日本アイ・ビー・エム(IBM Japan)
・日本電気(NEC)
など

IT系コンサルティングファーム

カオスマップではITの分類に該当します。
大手企業の基幹システムの刷新や、ERPパッケージの導入を中心に、付随する業務の改善やIT戦略の立案も手掛けます。近年のIT化の進展によって経営とITが密接に関わるようになったことから急速に事業を拡大し、経営戦略策定を行うファームもあります。また、AIやRPAなどの最新技術の活用やビッグデータの処理に強みを持つファームもあります。

主なファーム
・日本タタ・コンサルタンシー・サービシーズ(Tata Consultancy Services Japan/TCS)
・TIS
・フューチャー(Future)
・リッジラインズ(Ridgelinez)
・アバナード(Avanade)
・シンプレクス(Simplex)
・ビジネスブレイン太田昭和(BUSINESS BRAIN SHOWA-OTA/BBS)
・ウルシステムズ(UL Systems)
・電通国際情報サービス(Information Services International-Dentsu/ISID)
・ビッグツリーテクノロジー&コンサルティング(BTC Corporation/BTC)
・コアコンセプト・テクノロジー(Core Concept Technologies/CCT)
など

シンクタンク系コンサルティングファーム

証券会社や銀行を母体に持っていたり、市場調査や各業界の分析を行う目的で設立されたりした研究機関です。また、IT分野を中心とした調査・分析を行う企業も含まれます。 近年では、蓄積されたナレッジを活かして民間企業向けの経営コンサルティングや官公庁向けのリサーチを行っています。

主なファーム
・野村総合研究所(Nomura Research Institute/NRI)
・ガートナー ジャパン(Gartner)
・エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所(NTT DATA INSTITUTE OF MANAGEMENT CONSULTING)
・三菱総合研究所(Mitsubishi Research Institute/MRI)
・富士通総研(FUJITSU RESEARCH INSTITUTE/FRI)
・日本総合研究所(The Japan Research Institute/JRI)
・大和総研(Daiwa Institute of Research/DIR)
・三菱UFJリサーチ&コンサルティング(Mitsubishi UFJ Research and Consulting/MURC)
など

FAS系コンサルティングファーム
カオスマップではFASの分類に該当します。M&A系と事業再生系コンサルファームがここに属します。

M&A系コンサルティングファーム

企業/事業の買収、売却、資本提携などのM&Aに関わる業務全般のコンサルティングを行います。
ビジネスデューデリジェンスや、企業法など専門的な知識を持つコンサルタント、アドバイザーが所属しています。

主なファーム
・デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー(Deloitte Tohmatsu Financial Advisory/DTFA)
・PwCアドバイザリー(PwC Advisory/PwC)
・EYストラテジー・アンド・コンサルティング(EY Strategy and Consulting/EYSAC)
・KPMG FAS
・YCP Solidiance
・フーリハン・ローキー(Houlihan Lokey)
・エスネットワークス(ES NETWORKS)
・レコフ(RECOF)
・クロスポイント・アドバイザーズ(Crosspoint Advisors)
など

事業再生系コンサルティングファーム

業績が低迷、悪化している企業の事業の再生を支援するコンサルティングファームです。
コスト削減などの財務面、オペレーション改革などの業務面などを企業に入り込んで(ハンズオンで)実行支援します。

主なファーム
・経営共創基盤(Industrial Growth Platform/IGPI)
・フロンティア・マネジメント(Frontier Management)
・山田コンサルティンググループ(YAMADA Consulting Group)
・アリックスパートナーズ(AlixPartners)
・ロングブラックパートナーズ(Long Black Partners/LBP)
など

組織・人事系コンサルティングファーム

人事戦略や制度設計、組織改革など、「ヒト」を専門としたコンサルティングファームです。
働き方改革やチェンジマネジメントなどのコンサルティング業務を行うことも多くあります。

主なファーム
・マーサー ジャパン(Mercer Japan)
・コーン・フェリー・ジャパン(Korn Ferry)
・エーオンジャパン(Aon)
・ウイリス・タワーズワトソン(Willis Towers Watson/WLTW)
など

中小企業向けコンサルティングファーム

中小企業を対象にコンサルティングを行うファームです。
経営戦略のみならず、M&A支援から事業承継、IT導入支援など幅広に係るコンサルティングサービスを提供します。
幅広い領域をカバーしているため、カオスマップ上には分類区分は設定しておりません。

主なファーム
・船井総合研究所(Funai Consulting Incorporated)
・タナベ経営(Tanabe Consulting Group/TCG)
など

ブティックコンサルティングファーム

ブティック系ファームとは、小規模ながら少数精鋭でクライアントニーズに応じた高度な支援を行うファームや、特定領域もしくは特定業界に特化したファームのことを指します。本記事のカオスマップで紹介した大手コンサルに対して、ブティク系は組織に縛られず俯瞰的に支援ができることや、小回りが利くことなどの強みを持つ場合があります。ブティックファームも数多くありますので、当サイト別記事ではブティック系コンサルのカオスマップも紹介しております。

※当カオスマップの無断転載、無断使用は禁止させていただきます。
※当カオスマップ記載のロゴにつきましては、事前に各社様に事前許諾を得ていないものがございます。当マップへの掲載に問題がある場合は、大変お手数ですが「お問い合わせ」よりご連絡ください。速やかに修正させていただきます。

まとめ

新しいトレンドが生まれるなど、内部構造が年々変わっているコンサル業界。特にデジタル・IT分野の成長は著しくなっています。今後、コンサルタントには、より高い専門性や問題解決能力が求められるようになるでしょう。

カオスマップを見ることで、コンサル業界の全体像を捉え、動向を整理することができることに加え、各コンサルティングファームの位置づけを、全体像の中から捉えることができます。業界構造の把握に、カオスマップをお役立てください。

▶▶また弊社では、転職希望者向けのエージェントサービス、フリーランス向けの案件紹介サービスも運営しています。コンサルファームへの転職を検討している方や、コンサル案件を探している方はぜひご活用ください。現役のコンサルタントからフリーのコンサルまで、ステージにあった働き方をご支援しますこちらからお気軽にご相談ください。

コンサルのあんなこと、こんなことについて
現役コンサルタントの視点と情報鮮度にこだわり、最新ニュース・トレンドを配信するメディアです。自社のコンサル活用や転職時の業界研究に役立つ「コンサル業界ニュース」、ブランニューから上級コンサルタントまでポジションに合わせておすすめする「書籍紹介シリーズ」など、コンサル業界で働く人・目指す人・仕事を依頼する人様々な方々に向けて幅広い情報をお届けしています。

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