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『90日で成果をだすDX(デジタルトランスフォーメーション)入門』|書籍紹介シリーズ
2020年12月上場のKaizen Platform須藤社長執筆の、DXのエントリーとして最適な書籍
最近流行りのDX変革を目的とした書籍を今回は紹介します。
(引用)
DXを行う中で最も大切なことは、「デジタルを活用して、圧倒的にかつ優れた顧客体験を提供し、事業を成長させること」です。
ここでの”成長させる”は、もっとハッキリと「稼ぐこと」と言い換えてもいいでしょう。
(引用おわり)
上記に記載の通り、本質を語り、デジタル化との違いも明確に述べております。DXとデジタル化を区別し、何から着手しどうやっていくべきか、ここに悩んでいる会社は多いものと考えます。本書では、これら基本を忠実に各章にて述べております。
第1章 デジタルが巻き起こした新潮流
本章では、顧客体験を最優先とする考え方等への言及がなされています。また、1-7節を通しデジタル化とDXの違いが明確に解説されています。
第2章 なぜ企業はDXでつまずくのか?
最初にビッグピクチャーを描くのは失敗のもと。PoC(Proof of Concept)を優先し、小さく・素早くが成功の秘訣。これ以上書くとネタバレなので、割愛します。
第3章 デジタルの潮流を読む「10のキーワード」
「D2C」や「サブスク」等、主流のワードを10ほど紹介。
第4章 DXの企業事例を見てみよう
様々な企業事例が、インタビュー内容も盛り込み結構なボリュームで記載されています。
たとえば、ネスレ日本でのサブスクリプションモデルへの変革では、買う人の心理や行動を探求し、PoCを繰り返すことで推進できたことについて、インタビュー形式も交え詳細に触れられております。
第5章 90日でできる「DX計画戦略マップ」に挑戦しよう
90日というところが肝なのですが、実行する上でのフレームワークと事例が記載されております。たとえば、聞く機会が減ってきた「問屋」の事例でも中長期的なゴールをどう置き、90日で何が可能かを明確化し、そしてそのためのアクションプランにまで落とし込んであります。「問屋」という古くからある業界であってもDX推進できるのかと感じました。
――― 目次 ―――
第1章 デジタルが巻き起こした新潮流
・DX推進で絶対に避けるべきワナ
・DXの波は、なぜ起きたのか?
・経済産業省がみる「2025年の崖」を超えるには
・国家も企業もユーザー主権主義へ
・顧客体験を強化する「2つの進化」
・世界の潮流を「移動コスト」に着目してみる
・日本企業はDXで変化するチャンスがある
第2章 なぜ企業はDXでつまずくのか?
・DXには進めるべきステップがある
・顧客体験から事業を再定義する
・DXを実現するために必要な5つのステップ
・レガシーシステムはDXを前提としていない
・企業で成功しているDXプロジェクトの共通点
・「小さく、早く」を生むプロトタイピング
・DXで成功する組織とは
第3章 デジタルの潮流を読む「10のキーワード」
・共通するポイントは「コネクテッド」
・シェアリングエコノミー
・ギグ・エコノミー
・サブスクリプション
・SaaS
・XTech
・D2C
・OMO
・IoT
・ロボティクス
・MaaS マース/マーズ
第4章 DXの企業事例を見てみよう
・国内でも進むDXプロジェクトを知る
・SOMPOひまわり生命保険
・パーソルキャリア
・吉本興業
・NTT東日本
・ネスレ日本
第5章 90日でできる「DX計画戦略マップ」に挑戦しよう
・なぜ「90日」に限定するのか?
・「事業構造」と「中期的なゴール」を描き出す
・DXの要である「90日マイルストン」を書く
・課題を見誤るバイアスを知る
・アクションプランはできるだけ簡単にする
・「アセット」と「プロブレム」をみつめる
・事例① 美容室
・事例② ITソリューション企業
・事例③ 問屋
―――――――――
繰り返しになりますが、DXプロジェクトの目的を定義しそのロードマップを描くには、最適な本となっております。お時間ある方は読んでみてください。
[v118]
執筆者
- アクセンチュアにてファーストキャリアをはじめ、以来20年超コンサル畑で事業戦略からITコンサルまで幅広くこなす。大企業の経営課題に対して包括的に俯瞰し、全体的なロードマップと解決に向けた推進に強みを持つ。
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