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2021-08-23
読了まで 4

『スマホ脳』:スマホの便利さがあなたの脳を蝕む?|書籍紹介シリーズ

インターネットをポケットに入れていることが人間の脳にどのような影響を与えるのかを分かりやすく整理して理解することができる一冊

あのスティ-ブ・ジョブズも我が子にiPadを触らせなかったらしい?今回は世界的ベストセラーとなった書籍を紹介します。


スマホ脳 (新潮新書)
著者:アンディッシュ・ハンセン(スウェーデン生まれの精神科医) / [訳] 久山葉子
出版社:新潮社
出版日:2020年11月20日

我々人類の脳は、原始時代から大して進化しておらず、生存や子孫を残すことに最適化されたままであるらしい。そんな我々の原始的な脳へ、この20年で爆発的な変化を遂げた生活習慣におけるインフラがどのような影響を与えているのか、精神科医が分かりやすく分析と解説をしている書籍です。

生まれた時から身近にスマホが存在している「スマホネイティブ世代」(注:筆者が勝手に命名)がいよいよ社会人になろうとしています。それを社会(会社)に迎え入れる上でも、その世代を相手に商売を考える上でも、脳の中で何が起きているのかを知っておくことはとても重要といえるでしょう。第3章ではSNS依存の脳内メカニズムが解説され、SNS提供会社がそのメカニズムを利用し、どのような戦略で顧客を囲い込んでいるのかなどの興味深い話題にも斬りこんでいます。

――― 目次 ―――

第1章 人類はスマホなしで歴史を作ってきた
人類が現代に適応できてない理由/人間は現代社会に適応するようには進化していない/感情があるのは生存のための戦略/決断を下すとき、私たちを支配するのは感情/ネガティブな感情が最優先

第2章 ストレス、恐怖、うつには役目がある
ストレスのシステムが作られた過程/扁桃体――人体の火災報知器/すぐに作動する扁桃体/不安――起きるかもしれないという脅威/不合理な不安さえも合理的/うつは天然の防護服か?/長期にわたるストレスの代償/うつ症状――感染への予防?/感情を言葉で表せることが大事/警告フラグ/必ずしも「いちばん強いものが生き残る」わけではない

第3章 スマホは私たちの最新のドラッグである
ドーパミンの役割/脳は常に新しいもの好き/「かもしれない」が大好きな脳/「もしかしたら」がスマホを欲させる/報酬中枢を煽るSNS/シリコンバレーは罪悪感でいっぱい/IT企業トップは子供にスマホを与えない/デジタルのメリーゴーランドにぐるぐる回されてしまうのは簡単だ

第4章 集中力こそ現代社会の貴重品
マルチタスクの代償/脳は働きが悪いときほど自分をほめる/かぎりある作業記憶/サイレントモードでもスマホは私たちの邪魔をする/リンクがあるだけで気が散る/私たちはさらに気が散るように訓練を重ねる/手書きメモはPCに勝る/長期記憶を作るには集中が必要/脳は近道が大好き/グーグル効果――情報が記憶に入らない/周囲への無関心

第5章 スクリーンがメンタルヘルスや睡眠に与える影響
過小評価されている睡眠/私たちはなぜ眠るのか/ストレス――それにスクリーン――が眠りを妨げる/ブルーライトの闇/電子書籍vs「普通の」本/感じやすさは人それぞれ

第6章 SNS――現代最強の「インフルエンサー」
人間の脳は悪い噂が大好き/ゆりかごから墓場までの社交性/人生の数年がフェイスブックに吸い取られる/私たちは自分のことを話したい/SNSを使うほど孤独に/社会的地位は精神の健康のために重要/デジタルな嫉妬/フェイスブックが人生の満足度を下げる/SNSは様々な方向から私たちに影響を与える/SNSが女子に自信を失わせる/他人は自己を映す鏡/では、SNSが私たちの共感力を殺すのか?/あなたの注目を支配しているのは誰?/デジタル軍拡競争/どんな商品が欲しいのか、決めるのは私たち/「自分たちvsあいつら」の血塗られた歴史/フェイクニュースが広まるメカニズム/そろそろデジタル・デトックスを

第7章 バカになっていく子供たち
子供のスマホ依存/アルコールは禁止するのに/幼児には向かないタブレット学習/報酬を我慢できなくなる/学校でのスマホ――敵か味方か?/スマホ追放で成績アップ/若者はどんどん眠れなくなっている/若者の精神不調が急増している/長期調査の結果も同じ/インターネットを携帯できるようになった時代/精神状態vs依存/スクリーンタイムの概念

第8章 運動というスマートな対抗策
情報のTsunami/少しの運動でも効果的/では、なぜ集中力が増すのか/子供でも大人でも、運動がストレスを予防する/ストレスに対する心のエアバッグ/ますます運動量が減っている/すべての運動に効果がある

第9章 脳はスマホに適応するのか?
私たちのIQは下がっている/タクシーの運転手の脳が変化した理由/「鉄道酔い」と「デジタル酔い」の決定的違い/研究が追いつかない!/私たちは何を失いかけているのか/人間はまだ進化するのか/心の不調を軽くみてはならない/人間は幸せな生き物ではない/テクノロジーで退化しないために

第10章 おわりに

―――――――――

かの物理学者アインシュタインは「調べれば分かるものを覚える必要など無い」と、インターネットなど無かった時代に発言しました。現代のインフラを予見していたかどうかはさておき、まさに彼のいうとおりの時代が来たといっても過言では無いような気がします。

一方で、なんでも「ググれば」分かる時代も10年~20年の時を経て、最近では例えばあるアプリの不具合を調べる場合に症状をキーワードに検索しても、古いバージョンに対しての記事が上位に表示され、なかなか目的に辿り着けないことが多くなってきています。私がその記事リンクをクリックしてしまったことが、検索エンジンには「人気の記事」と認識され、まさに「難民が難民を呼ぶ」負の連鎖が起きています。このような状態での最も良い近道は、アプリの公式サイトを検索し、公式サイトのフォーラムの中で症状検索するなどが考えられますが、このあたりはまたの機会に・・・

書籍内で「インフラの進化に人間が追いついていない」との見解がされていますが、「ググった」結果に満足ができなくなってきている我々人類は、なんとも贅沢な生物ですね。

 

[v121]

執筆者

海老根
海老根コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社
12年に渡り自動車業界(商社・小売)に携わり、企業経営・人材育成に尽力。その経験を基にITベンチャー企業に経営者として転身。商品企画・ブランディングをはじめ、海外展開など多岐に渡る業務を10年間推し進める。幅広い知見と実行力を持つ。
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執筆者

海老根
海老根コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社
12年に渡り自動車業界(商社・小売)に携わり、企業経営・人材育成に尽力。その経験を基にITベンチャー企業に経営者として転身。商品企画・ブランディングをはじめ、海外展開など多岐に渡る業務を10年間推し進める。幅広い知見と実行力を持つ。
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