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2021.03.27

第2回 コンサルファームの失敗しない選び方 | クライアント事業会社向け

コンサル活用ノウハウ:基本的な選び方を、互いの事情も踏まえたうえでポイントとして明記する

コンサルファームを使う役割やメリットは、前回の「使い方」記事をご覧下さい。それらを把握したうえで、今回は最適なコンサルファームの選び方となります。

現在、日本ではありとあらゆるコンサルティングファームが(外資系・日系含め)溢れています。自社に合ったコンサルティングファームを選別することが、今後の改革を見据えると必要不可欠となります。(本稿では上場大手やグロース企業を対象としたコンサルティングテーマを対象としており、小規模企業を対象としたいわゆるスポットアドバイスを主体としたコンサルティング支援は対象外となります。)

使い方
選び方 ←今回はこちら
関係構築のポイント

コンサルティングファームを選定する上での基礎知識として、そもそもコンサルティングファームはどのような種類があるのか、まずはここから把握していきましょう。

基本的に2章まで読んでいただければ大丈夫です。3章以降は大分細かいですので、ご相談直前に詳細に読んでいただくのが良いかもしれません。

1. コンサルティングファームの種類

1.1 戦略コンサルティングファーム
戦略系コンサルティングファームは企業の全社戦略やM&Aにおける事業統合のサポート、海外新規参入戦略など企業経営のトップレベルに関わる問題解決を手がけているのが特徴です。

1.2 総合系コンサルティングファーム
総合系コンサルティングファームは人事戦略、M&Aなどの提案からITを中心としたシステム導入などの実行支援まで幅広い業務を手がけているのが特徴です。

1.3 IT系コンサルティングファーム
ITを切り口に顧客のビジネス・経営に関わる解決策を提供するコンサルティングファームを指します。IT戦略、ERP等のシステム導入のコンサルティングなど、情報処理システムの構築も含め手がけているのが特徴です。

1.4 シンクタンク系コンサルティングファーム
大手金融機関や大手企業をバックに持つファームが多く、グループ全体での高度なノウハウ、見識をベースにコンサルティングを提供し、 大手グループ企業のチャネルを使った営業戦略の構築を手がけているのが特徴です。

1.5 監査法人系コンサルティングファーム
主に「守りのコンサル」と呼ばれるサービスを提供しています。具体的には事業やITへのリスクコンサルティングや内部監査、内部統制といった企業の経営基盤を万全なものへ整えるための業務を手がけているのが特徴です。

どの領域にどのようなコンサルファームがあるかは、こちらの記事をご参照ください。

 

2. コンサルティングファームを選ぶ上でのポイント

2.1 専門領域は何か?
コンサルティングファームはそれぞれ専門領域があるため、自社の課題に適さないコンサルティングファームを選択した場合、本質から外れた解決策を提示してくるなど、かえって現場が混乱する可能性があります。

2.2 過去実績は十分か?
コンサルティングファームは、多くのクライアントを有しているので、過去実績を多く保有しています。自社の業界・職種に対し、類似企業への成功事例を有しているか等、コンサルティングファームを選ぶ上で重要なポイントになります。(過去実績があると無いとでは、プロジェクトのスピードやコンサルタントとのコミュニケーション時間が大きく課され、成果物の品質にも大きく影響します。)この際、失敗事例なんかを聞いてみると割と反応が面白かったり、判断の一助になったりもします。

2.3 強み・弱みは何か?
スピード重視・料金重視・成果物の品質重視等、コンサルティングファームごとに、強みと弱みがあるため、それらを事前に把握し、プロジェクト開始後、両者間での認識齟齬を少なくすることが、プロジェクト成功の近道になります。また、QCD以外の観点で、柔軟性とかもその評価軸に入れてみても良いと思います(特に課題や決め事がふわふわしている場合は重要)。

2.4 アウトプットは合意しているか?
基本的に準委任契約(成果物の納入責任はない)になりますが、アウトプットはどういったものを作るか合意形成されているかが重要です。「綺麗でそれっぽい提案書で提案してくれたから大丈夫でしょ」と思って先方任せにしちゃうと、お願いしていたものと全然違うとか、期間内で終わらず追加提案というのは往々にしてありますし、満了時に「え、これで終わり?こんなにお金払ったのに?」みたいなことも冗談じゃなくあります。依頼する内容のアウトプットがクライアント目線で適切なものかはすり合わせる必要があります。ファイルの名称だけではなく、どのような項目を定義づける想定かまで握っておいた方が良いでしょう。ただし、構想策定や企画フェーズとかになると明確なアウトプットを定義付けするのも難しい場合もあるので、それは内容次第といったところです。

2.5 料金体系は妥当か?
例えば「人事制度の見直しと再設定」などのプロジェクト型の場合、「作業単価」×「作業時間」で決まることが多いです。その際の作業単価はコンサルタントによって異なりますが、一般的には若手コンサルタントでも1時間1万円~、トップコンサルタントとなるとその何倍もかかります。プロジェクト期間や作業時間を確認し、費用が適切かどうかを見極めましょう。

2.6 コンサル側の体制、期間、スケジュールは妥当か?
上記のほかも含め挙げだすとキリがないのですが、妥当かを判断する項目はかなりあります。コンサル会社活用ノウハウとしてもとても重要です。ネガティブなケースですが、「体制が無駄に多い(例:新卒こんな居て何やるの??)」「実現不可能なスケジュールを出してくる」「現場の都合お構い無しの実態に沿っていない内容の提案」等など。
また、リスクを避けるために契約書に関して留意する点も数多くあり、これら詳細まで突っ込んで記載するとキリがないので、割愛します。お聞きしたい方は別途お問合せ下さい。ただし弊社としても重要なナレッジですので、可能な範囲での回答となります。

↓結局どうしたらよいか分からない場合等お気軽にご相談ください。
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なお、当社の場合は、上記以外にも融通が利くといった点や、外資コンサルファームと比較してコストがかからないといった点で選定頂いております。

 

3. コンサルティングファーム選出までの主な流れ

3.1 コンサルティングファームへ依頼前の準備
まず自社の解決すべき課題に対して、コンサルティングファームの活用が適切かどうか、検討する必要があります。課題解決の選択肢には、「社内で解決する」「人材を採用する」「業務委託する」などがあり、相互に検討することになることが多いです。他の代替手段よりも、コンサルタントの活用が得策であると判断した場合、具体的な候補先の選定へと進めます。とくに予算、費用対効果は一番気になる点ですが、正しくコンサルティングファームを選べば、社内で多大な時間と労力を掛けるよりも、かえって廉価でスピーディに効果を上げるケースが多いです。内部コストは意外と高くつくものです。
また、自社の課題自体が不明瞭でそれ故にコンサルティングを依頼したい場合は、予備的な診断(簡易アセスメント)と、正式依頼との2段階で検討するのも一法です。どうしたらいいか分からないとき等は、気軽にコンサルティングファームに打診すると良いでしょう。

3.2 コンサルティングファーム候補の選定
課題に応じて相談を持ち掛けるコンサルファームをピックアップするわけですが、ピックアップは複数社であるほうが良いです。相談の規模感が小さいとかであれば極端な話1・2社で良いと思いますが、どのような購買・調達活動でも、1社指名による発注はリスクを伴います。指名発注は、信頼関係の下、スピーディに物事を進めることができるメリットもありますが、弊害も大きくなるケースもあります。例えば次のような問題が起こりやすいです。
・割高な見積金額を出される
・比較対象がないため、評価基準が甘くなる
・なれ合い関係によりコミットメント意識が薄れる

コンサルファームとなると、そのチョイスで恐らく迷うことになると思います。PwC、デロイト、EY、KPMG といったBig4にするか、国内最大規模のアクセンチュアにするか、或いは国内系のコンサルファームにするか、近年拡大傾向にあるブティック系(独立・ベンチャー系)のコンサルファームが良いか等々。「名前があるところに相談しておけば大丈夫でしょ」というところで大手を選びがちかもしれませんが、近年増えてきているブティック系を探してみるのもいいかもしれません。結局の違いは、ブランド力、グローバル知見、業界知見、コンサルタント数(人数が10名以上必要なようなら大手は安心)、単価感等などになってくると思います。またその後に大規模なITの開発も視野に入れるのであれば、大手のほうが一気通貫でできますが、金額面は覚悟が必要です。参考までに弊社の場合、どういったご相談経路が多いかというと、ご紹介(お客さんからのご紹介、大手ファームからのご紹介(監査対象でコンサルできないなど)、変わり種で社員が事業会社に転職しそこからの相談)、WEBからの問い合わせ、お電話などとなります。

↓WEBでのお問合わせはこちら
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ちなみに、複数社のコンサルティングファームに対して相談する場合、下記を事前に提示してもらうと良いでしょう。RFP(その他RFQやRFI)を出すケースもありますが、そういった突っ込んだ話は今回は割愛します。
・自社の概要(業種、規模、地域)
・自社の現状と課題(仮説)
・自社が目指すべき姿
・コンサルティングファームが想定するコンサルティング期間
・コンサルティングファームが想定する概算予算
・コンサルティングファームの得意分野、守備範囲(内容・予算・期間)
・コンサルティングファームの類似または参考になる事例・経験の有無とその概要
・コンサルタントのPRポイント

3.3 コンサルティングファーム向けの説明会ないしは打合せ
事前資料を基にコンサルティングファームを絞り込んだら、自社の要望を伝える「ミニ説明会」を開催しましょう。というか、相談するコンサルファームの数次第で、これも案件の規模によるところですが、数社であれば、相手の反応や雰囲気もつかんだ方が良いので、個別にやったほうが良いです。
機密事項が含まれる場合は、事前に機密保持契約(NDA)を締結しておくことが得策です。依頼事項を伝える際には、必ず以下の要素を明確にするとプロジェクト遂行に伴う認識齟齬が少なくなります。
・プロジェクトの背景
・目的
・成果目標
・期間・スケジュール
・予算
・そのほかの要望事項

3.4 コンサルティングファームからのプレゼンテーション
3.5 コンサルティングファームとの契約締結及びトラブルの回避
3.6 プロジェクトキックオフ
本来であればこれら、上記3項目に関して論ずるところですが、今回は字数と著者の体力の都合上、3.3までに留めさせていただきます。

大作となりましたが、一般的に出ないであろうノウハウも一定書かせていただきました。

すでに他のコンサルファームを使っているケースでのセカンドオピニオン的なご相談も多いですが、もしお困りあればお気軽にご相談ください。
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なお、前回は「使い方」について記載し、今回は「選び方」となりましたが、次回3回目は「関係構築のポイント」となります。


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執筆:コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社
代表取締役社長 大谷内 隆輔
アクセンチュアにてファーストキャリアをはじめ、以来20年超コンサル畑で事業戦略からITコンサルまで幅広くこなす。大企業の経営課題に対して包括的に俯瞰し、全体的なロードマップと解決に向けた推進に強みを持つ。
https://partners.consul.global

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