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コラム | 「コンサル大量採用の裏側と今後について考えてみた」コンサルのホンネ

コラム | 「コンサル大量採用の裏側と今後について考えてみた」コンサルのホンネ

大量採用が続くコンサル業界の現状と今後を考察

現役コンサルが徒然なるままに綴るコラム「コンサルのホンネ」では、ハードワークの合間に思いついたことを思いつくままに語ります。第二回のテーマは「コンサル大量採用の裏側と今後」。ホッと一息つくも良し、同じテーマで考察してみるも良し、お気軽にお読みください。

近年、コンサルティング業界は拡大を続けており、それと共にコンサルタントの数も増加の一途を辿っております。業界が活発になる反面、今までにはない変化も見えてきました。そこで今回のコラムでは、「業界内にいる現役コンサルから見た『コンサル大量採用の裏側と今後』」について書いてみました。

コンサルタント大量採用の影響

昨今Big4をはじめとするコンサルティングファームは、DXやAIを始めとした新しいテーマや課題が増え、案件需要が高まったこともあり、積極的な採用を続けてきました。

コンサルティングファームは外資を中心に実績・ブランドを強化する傾向にあり、売上高を伸ばすという点に集約しがちです。そのために、労働集約型のモデルとなり、事業規模拡大のために、社員数を増やすという方程式が成立します。単価や稼働率を上げるのも方法の1つですが、売上拡大には限度があり、やはり人材の獲得が必要になってきます。

そのため、各ファームは積極採用により会社規模の急拡大を図ってきました。例えば、当サイトの調査ではアクセンチュアは前年比2,000人増、アビームは625人増となっています(参照:https://www.consul.global/post10594)。

このような採用により社員数は急増し、売上も上がった一方で、中にはコンサルタントの質に対する疑義を感じ始めるクライアントも見られるようになってきました。その大きな原因は人材の採用幅の拡大による質の低下です。

コンサル未経験者や若手のメンバクラスの採用により相対的に質が低下したことに加え、その人達をマネジメントするマネージャの採用が上手くいっていないことによるものだと考えられます。品質を担保しプロジェクトを成功に導く役割を担うマネージャが不足することで、プロジェクトリードはおろか、未経験者や若手メンバの育成に手が回らない状態に陥ることとなります。(筆者もそういったプロジェクトを間近で見たことがありますが、マネージャの上司がメンバのように稼働していました…)

また、案件需要が高いこともあり、コンサル未経験者が入社後の研修やOJTを十分には受けられずプロジェクトアサインされ、コンサルワークの質に影響を与えているケースもあります。かといって、昔の研修やOJTが充実していたかといったら「否」なので、ベーススキル(地頭力)観点での採用ハードルも下がってきているのではと推測できますし、自己成長に対する課題認識や自助努力の提言、同時に(将来のキャリアに対する)目的意識が低いといったケースもありそうです。

最近、クライアントからも「以前○○のコンサルファームが入っていたが、上手くいかず自分達でやり直そうとしているがどうしたらよいか?」という相談を聞くようになったのも、これが原因の1つかもしれません。

こういった実情や景気後退懸念を背景に欧米のコンサルファームが人員削減に踏み切ったこともあり、現時点では以前のような未経験者の採用は抑え始めている印象も受けます。

また、クライアント側もコンサルティングファームの質が低下している(高いフィーに見合わない)現状を目の当たりにし、ネームバリューのある大手コンサルティングファームありきの依頼ではなく、広い選択肢の中から質を見極めてコンサルティングファームを選定する流れがくるかもしれないですね。

必要とされるコンサルタント

弊社記事(コンサルティング市場規模の将来予測)でもご紹介した通り、コンサルティング業界の市場規模は今後も拡大傾向にあると予測されます。

コンサル市場が拡大傾向の中、前述のようにコンサルタントは増えておりますが、このバブルが弾けた時に本当に必要とされるコンサルタントであり続けるために「何をすればよいか?しておけばよいか?」の正解は、後になって分かることなのかもしれません。

しかし、クライアントの真の課題が何か、そしてそれを解決するために思考を回し続けているコンサルタントであれば、自分自身の中にその解を持っていることでしょう。

このコラムを読んだあなたはどう考えますか?

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執筆者

R.O.
R.O.コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 マネージャ
コダワリブランニュー第1号。入社後、IT・セキュリティにおける大規模PJの全体PMOや業務改革、DX戦略の案件に従事し、現場との関係構築からステークホルダーの巻き込み、クライアントからの突発的な要望への柔軟な対応に強みを持つ。
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