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2021-06-23
読了まで 4

上場しているコンサルファームの決算状況(2020年度決算編) | コンサルファームの売上と利益

上場しているコンサルティングファームの2020年度の年次決算書をもとに、コンサルティング業界の状況を考察してみたいと思います。なお、三菱総合研究所については9月決算となっておりますので、一覧上で2020年9月期決算情報を載せるのみにとどめております。

2020年度 年間決算

2020年度の通期を見てみると、各社売上に大きな差が出ており、利益の差も顕著に表れています。一方、決算書において各社は共通して、日本企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)投資意欲の高まりから、DXコンサルティングニーズが増えていると述べています。このことから、DXコンサル案件への対応の違いが業績に影響を与えていると考えられます。

各社の決算短信をインプットに各社毎の状況をまとめました。

<表1> 2020年度 年次決算
数値における上段は、会社全体としての数値表記となります。下段括弧()書きは、発表している会社のみとなりますが、コンサルティング事業のみの数値表記となっております。*単位百万円 *%は前年比

社名 売上 営業利益 経常利益
株式会社野村総合研究所
(NRI)

2021年3月期
(2021年4月27日発表)
550,490
(38,155)


4.1
(△3.7%)

86,502
(9,917)


4.0%
(4.2%)

86,022
(NA)


1.8%
(NA)

株式会社ベイカレント・
コンサルティング

2021年2月期
(2021年4月26日発表)
42,873


30.0%

13,551


68.6%

13,477


69.0%

株式会社シグマクシス(SX)
2021年3月期
(2021年4月22日発表)
14,024


△12.4%

1,747


△21.0%

1,797


△16.9%

株式会社ドリームインキュベータ(DI)
2021年3月期
(2021年5月14日発表)
27,776
(2,319)


22.1
NA

△957
(1,054)


(NA)
(NA)

△971
(NA)


(NA)
(NA)

株式会社三菱総合研究所
(MRI)

2020年9月期
(2020年11月4日発表)
92,020
(34,581)


2.2 %
(1.4%)

6,231
(NA)


21.5%
(NA)

8,387
(5,283)


46.7 %
(57.6%)

*ベイカレント・コンサルティングのみ経常利益の項目は税引き前利益となっています。

2020年度各社経営成績概況

株式会社野村総合研究所 (NRI)

2020年度は、売上高550,490百万円 (前年度比4.1%増)となり、営業利益は、良好な受注環境、生産活動を背景に収益性が向上し、86,502百万円(同4.0% 増)となっています。
デジタル技術を活用したビジネスプロセス及びビジネスモデルの変革を行うDXを中心に企業の投資需要が回復していく中、コンサルからシステム開発・運用まで一貫した総合力を持って事業活動をしたことで、開発・製品販売を中心に売上が前年を上回りました。
コンサルティングセグメントにおいては、売上高38,155百万円(前年度比3.7%減)、営業利益9,917百万円(前年度比4.2%増)でした。グローバル関連のコンサル案件が減少したため減収となっているものの、国内の民間企業におけるDXコンサルティングニーズの高まりや、新型コロナウイルス対策等の政策案件等が活況であったことに加えて、ニューノーマルにおける新たなワークスタイルが浸透したことに伴い生産性が向上し、営業利益は増益増収となっています。

株式会社ベイカレント・コンサルティング

2020年度は、売上高42,873百万円 (前年度比30.0%増)となり、営業利益は、上期に採用活動が制限を受けたことで採用費が抑制され、13,551百万円(同68.6% 増)となっています。
2020年4月から5月にかけては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたものの、その後の受注状況は堅調に推移し、前年同期に比べ増収となりました。
大幅な増収増益の要因として、コンサルタントの増員(前年度比18%増、440名増)・育成が順調に進捗したこと、高稼働率(上期:80%台後半、下期:90%台前半)の維持および高付加価値化の推進が挙げられています。

株式会社シグマクシス(SX)

2020年度は、売上高14,024百万円 (前年度比12.4%減)となり、営業利益は新型コロナウイルスの影響が大きい業界へのコンサルティングサービスや、一部サービスの提供を縮小したことによるプロダクトセールスの減少から、1,747百万円(同21.0減)となっています。
コンサルティング事業においては、航空業界向けのサービスや小売業界向けコールセンター案件において付随的に行っていた、ハードウエア/ソフトウエア製品調達代行サービスを順次提供縮小させたことにより、プロダクトセールスが減少した一方、ERPクラウド化サービス、企業のDX戦略策定、組織と人財の活性化、新規事業やサービス開発などを支援するプロジェクトが事業を牽引しました。なお、同社はコンサルティング事業とアライアンス事業から構成されていますが、コンサルティングがメインであることとセグメント別の業績を公開していないことにより、全体の業績値を紹介するに留めております。

株式会社ドリームインキュベータ (DI)※プロフェショナルサービス事業セグメント

2020年度は、売上高27,776百万円(前年度比22.1%増)、営業利益はマイナス957百万円となっています。
コンサルサービスを提供するビジネスプロデュース事業が減収ながら増益となった一方で、インキュベーション事業が多額のセグメント損失(営業損失)を計上しています。主に大企業向けの事業創造支援や成長戦略立案支援に関する戦略コンサルティング、M&Aファイナンシャル・アドバイザリーを提供するビジネスプロデュース事業の売上高は、2,319百万円(前年同期は2,679百万円)、セグメント利益(営業利益)は1,054百万円(前年同期は967百万円)でした。事業縮小(市場調査事業撤退)に加え、新型コロナウイルス感染症による、企業の一時的な新規事業マインドが冷え込んだ影響で、売上は前年同期比で減少しています。一方営業利益は市場調査事業から発生していた損失の解消、及び管理コストの見直しもあり増益となりました。

最後に、数値表記等含めまして細心の注意を払っておりますが、間違い等ございましたらお手数をお掛けしますが、ご指摘のほどお願い致します。

【典拠 2020年度】

◆野村総合研究所 2021年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
◆ベイカレント・コンサルティング 2021年2月期 決算短信〔IFRS〕(非連結)
◆シグマクシス 2021年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
◆ドリームインキュベータ 2021年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
◆三菱総合研究所 2020年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結)

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執筆者

廣田コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社
大学卒業後、オーストラリアに留学し、アニマルライツ関連の様々な活動の主催に携わった後、当社に新卒として入社。
昨今ニーズが高まっているDX案件において、アナリストながら営業から実行支援まで多岐に渡るコンサル支援を経験しナレッジを積み上げている。2025年の崖やグローバルにおける日本企業の競争力強化をテーマに日々奮闘中。
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執筆者

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