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大手コンサルファームの女性役員・管理職比率ランキング|女性活躍推進の取り組みも解説

女性活躍推進に注力する大手コンサルティングファームとは?取り組み内容もご紹介します。
コンサルファーム内での自身の今後を考える際や、転職検討フェーズにおけるコンサルファーム選びにおいて評価制度や給与制度以外に重視したいのが、ダイバーシティを推進しているかどうかという点です。
子育て世帯のワーキングマザー比率が7割を超える現在、ダイバーシティの取り組みの中でも、特に女性のキャリア支援は重要度を増しています。
内閣府男女共同参画局が発表した「女性活躍・男女共同参画の現状と課題 」では「2020年代の可能な限り早期に指導的地位に占める女性の割合が30%程度」になることを目標に掲げています。
企業の女性活躍推進の現状や取り組みは、転職先の検討要素の1つとしても今後重要になってくることは明らかです。そこで今回は、大手コンサルファームにおける女性役員・管理職の比率を紹介します。
目次
日系コンサル8社の女性役員・管理職の比率と女性活躍推進の取り組み
日系大手コンサルファーム8社を、女性役員比率が高い順に紹介します。
※役員比率がわからない場合は管理職比率が高い順
各社の女性活躍推進の取り組みについても記載しているので、ぜひ参考にしてみてください。
1.シグマクシス(SIGMAXYZ Holdings)
役員の女性比率 | 約15%(13名中2名) |
管理職の女性比率 | 43名(18%) |
(参照:シグマクシス 役員一覧)
シグマクシスの女性比率は役員が15%、管理職が18%となっており、後述する外資系よりは低いものの日系としては一番高い比率となっています。
同社では、サステナビリティ(女性管理職の現在と将来の目標)において、2030年度までに女性管理職の比率を25%までアップする目標を掲げています。
2.野村総合研究所
取締役の女性比率 | 11.1% |
役員の女性比率 | 7.1% |
執行役員等に占める女性比率 | 4.2% |
管理職における女性比率 | 8.3% |
(野村総合研究所 ダイバーシティ&インクルージョン)
NRIでは、2021年時点で女性取締役比率は11.1%、役員は7.1%、執行役員は4.2%、管理職の比率は8.3%です。
同社では女性活躍推進の取り組みとして、2022年度末までに女性管理職を新たに100名以上登用し、比率を8.5%にするという目標を掲げています。ほかにも出産や育児、介護と仕事を両立するための支援を実施しており、事業内保育所の設置や、育休明け社員に向けての研修を行い、女性の働き方を支援しています。
3.ドリームインキュベータ(Dream Incubator)
役員の女性比率 | 約11%(27名中3名) |
(参照:ドリームインキュベータ 役員紹介)
ドリームインキュベータでは、役員27人中3人(約11%)が女性です。
女性活躍推進に関する取り組みについては、公式情報は発表されていません。ただ、産休・育休などの一般的な制度は整備されています。
4.ベイカレントコンサルティング(BayCurrent Consulting)
役員の女性比率 | 約4%(25名中1名) |
(参照:ベイカレントコンサルティング 会社概要)
ベイカレントコンサルティングでは、役員25名中女性は1名で、比率としては約4%です。
同社ではサスティナビリティとして「反差別・ダイバーシティ」を掲げており、性別による差別を行わないと宣言しています。また「ハラスメント防止」も掲げており、パワーハラスメントやセクシャルハラスメント防止に努めています。
5.三菱総合研究所
役員の女性比率 | 2.6% |
管理職の女性比率 | 15.7% |
(参照:三菱総合研究所 ダイバーシティ&インクルージョン)
MRIでは、2022年時点で女性役員の比率は2.6%、管理職の比率は15.7%となっています。
同社では女性活躍推進として、2023年9月30日までに女性管理職の比率を5%アップすることを目標として掲げています。仕事と家庭を両立するための職場風土づくりや、ダイバーシティ推進研修などを実施中です。女性が働きやすい風土づくりの一環として、有給取得率の向上や、男性社員の育児休暇取得率の向上を同時に進めています。
6.アビームコンサルティング(ABeam Consulting)
管理職の女性比率 | 14.7% |
(参照:アビームコンサルティング Gender)
アビームコンサルティングでは、女性役員の比率は公開されていませんが、管理職における女性比率は14.7%となっています。
同社では女性活躍推進のための行動計画を進めており、2023年3月31日までに管理職における女性の割合を16%にまで増やすという目標を掲げています。ほかにも女性のキャリア形成サポートとして、若手女性社員に向けたキャリア形成の研修や、ジェンダー格差の調査を実施中です。男性社員に向けての取り組みも進めており、男性社員による育児休暇の取得率アップを目指しています。
7.クニエ(QUNIE)
エキスパート職の女性比率 | 約1.7%(58名中1名) |
(参照:クニエ EXPERT)
クニエでは、パートナーやマネージャーといった管理職含むエキスパート職において、女性の比率は約1.7%となっています。
8.日立コンサルティング
役員の女性比率 | 0%(8名中0名) |
(参照:日立コンサルティング 会社概要)
日立コンサルティングにおける役員の女性比率は、0%(8名中0名)です。
一方で、同社は女性活躍推進法に基づく認定(通称「えるぼし」)の三つ星を取得しており、(1)採用、(2)継続就業、(3)労働時間等の働き方、(4)管理職比率、(5)多様なキャリアコースという5つの評価項目すべてにおいて基準を満たしています。また、ダイバーシティ&インクルージョン推進として、育児休暇・介護休暇などの制度を充実させるよう取り組んでいます。
外資コンサル10社の女性役員・管理職の比率と女性活躍推進の取り組み
外資大手コンサルファーム10社を、グローバルでの女性役員が高い順に紹介します。
Big4については、グローバルにおいては1つの法人という概念ではなく、かつコンサルティング以外に監査や税務などのビジネス領域を含んでいることから、日本国内においてコンサルティングを担う法人における状況を確認しております。
※グローバルでの女性役員の比率がわからない場合は国内での比率が高い順、役員比率がわからない場合はリーダー職や管理職の女性比率が高い順としております。
1.ベインアンドカンパニー(Bain & Company)
リーダーシップ職(グローバル)の女性比率 | 約32% |
リーダーシップ職(国内)の女性比率 | 約12%(33名中4名) |
(参照:ベインアンドカンパニー リーダーシップ)
ベインアンドカンパニーのグローバルでのリーダーシップ職における女性比率は約32%となります。東京オフィスでは、リーダーシップ職の33名中4名が女性です。
同社では「Women at Bain」の理念を掲げており、異動や時短勤務、休暇などの制度を整え女性のための柔軟なキャリア形成を支援しています。2020年には、Fortune誌の「女性が働きやすい企業ランキング」にランクインしました。
2.ボストン コンサルティング グループ(Boston Consulting Group)
リーダーシップ職の女性比率(グローバル) | 約23%(43名中10名) |
リーダーシップ職の女性比率(国内) | 10%(20名中2名) |
(参照:BCG Leadership)
BCGのリーダーシップ職はグローバルで約23%、国内で約33%と高く、グローバルよりも国内の方が比率が高い珍しいケースとなっています。
同社は2017年より、内閣府男女共同参画局の「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」に継続して賛同しています。また、社内では「Women@BCG」を全社的に展開しており、女性を対象としたイベントの開催や、各種制度の充実など、女性社員のキャリア支援をするための取り組みを実施中です。
3.マッキンゼー・アンド・カンパニー(McKinsey & Company)
リーダーシップ職の女性比率(グローバル) | 22% |
リーダーシップ職の女性比率(国内) | 約10%(59名中6名) |
(参照:マッキンゼー・アンド・カンパニー リーダーシップ紹介、女性活躍推進の戦略的・道徳的意義、2021 ESG Report)
マッキンゼー・アンド・カンパニーのリーダーシップ職の女性比率はグローバルで22%、国内リーダーシップ職は約10%です。
同社の女性活躍推進の取り組みは世界的に評価されており、国連が主導する「HeForShe」では優れた実績をあげた「インパクトチャンピオン」の1社に選ばれているほか、社会全体のジェンダー平等を推進するという目標を掲げ、「HeForShe」をはじめオーストラリアの「Male Champions of Change」などの団体と協力しています。
3.アクセンチュア(Accenture)
役員の女性比率(グローバル) | 約22%(55名中13名) |
役員の女性比率(国内) | 約9%(33名中3名) |
(参照:アクセンチュア 会社概要、Women Careers、Our Leader)
アクセンチュアのグローバルにおける役員の女性比率は約22%、国内では約9%となっています。
同社では女性活躍推進の取り組みとして、Japan Women’s Initiativesを社内で発足し、女性の採用強化や女性リーダーの育成を進めているほか、「Right Client, Right Role, Right Sponsor」の3つの観点から現場を評価し、管理職候補の女性が活躍できるよう取り組んでいます。
その他、以下のような認証や受賞の実績があり、女性活躍推進に積極的に取り組んでいる企業です。
●日経WOMANの「女性が活躍する会社Best100」総合1位
●英Yahoo Finance「The HERoes Women Role Model Lists 2020」で2名選出
5.ローランド・ベルガー(Roland Berger)
マネジメント職の女性比率(グローバル) | 約12.5%(8名中1名) |
マネジメント職の女性比率(国内) | 約5.8%(17名中1名) |
(参照:ローランドベルガー マネジメント体制)
ローランド・ベルガーでは、マネジメント職の女性比率はグローバルで約12.5%、国内で約5.8%です。
育児休暇や育児短時間勤務の制度と利用実績があり、女性にとって働きやすい環境づくりを進めています。
6.アーサー・ディ・リトル(Arthur D. Little)
シニアスタッフの女性比率(グローバル) | 約8%(12名中1名) |
シニアスタッフの女性比率(国内) | 約7%(26名中2名) |
(参照:アーサー・ディ・リトル シニアスタッフ紹介(グローバル)、シニアスタッフ紹介(日本))
アーサー・ディ・リトルでは、シニアスタッフの女性比率はグローバルで約8%、国内で約7%となっています。
女性の管理職も増えているほか、産休や育休などの制度の充実と取得実績があり、女性にとって働きやすい環境づくりを進めています。
7.EYストラテジー・アンド・コンサルティング(EY Strategy and Consulting )
パートナー職の女性比率 | 約7%(97名中7名) |
(参照:EY Japan コンサルティング パートナー一覧)
EY Japanでは、パートナー・リーダー・ディレクター職における女性比率は7%(97名中7名)です。
「えるぼし」の三つ星を取得しているほか、管理職における女性比率の向上を目指すなど、女性活躍の取り組みを進めています。
8.デロイト トーマツ コンサルティング(Deloitte Tohmatsu Consulting)
執行役員の女性比率 | 5%(200名中10名) |
パートナー及びディレクター職に占める女性比率 | 7% |
管理職の女性比率 | 12.5% |
(参照:デロイト トーマツ コンサルティング プロフェッショナル一覧、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社における女性活躍推進の取り組みについて)
DTCでは執行役員の女性比率は約5%、パートナー及びディレクター職では7%、管理職は12.5%、です。
同社では女性活躍推進の取り組みとして、2022年8月31日までに女性管理職の比率を15.6%まで向上させることを目標としています。「えるぼし」の三つ星を取得しているほか、社内の女性キャリア構築を支援する風土づくりを積極的に行っています。
9.KPMGコンサルティング(KPMG Consulting)
役員の女性比率 | 約2%(60名中1名) |
(参照:KPMGコンサルティング パートナー・プリンシパル一覧、インクルージョン、ダイバーシティ&エクイティの取組み、女性活躍推進法に基づく行動計画)
KPMGコンサルティングでは、役員における女性比率は約2%でした。
同社では女性活躍推進の取り組みとして、2024年6月までに「女性管理職比率17%」という目標を掲げています。また、「えるぼし」の三つ星を取得しているほか、女性管理職の育成や女性キャリア研修、女性同士のネットワーク形成支援といった取り組みを実施中です。
10.PwCコンサルティング(PwC Consulting)
執行部の女性比率 | 0%(46名中0名) |
(参照:PwCコンサルティング合同会社 2023年度執行体制、女性活躍推進)
2022年7月1日付けで発表された2023年度の執行体制に女性は含まれておりませんが、2020年6月時点のパートナー職の女性比率は7.9%、マネージャー~ディレクター職は18.9%、シニアアソシエイト職は36.3%と公表しています。
同社では女性活躍推進の取り組みとして、女性の役員登用や若手女性の育成に力を入れており、女性リーダー向けのコーチングや、若手女性向けのリーダーシップ研修を実施中です。
さらに、女性活躍を推進する以下のような外部団体への賛同を行っています。
●「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言(内閣府・男女共同参画局)賛同
●国連女性機関「HeForShe」推進企業に賛同
まとめ
本記事で紹介した各社とも女性活躍の推進に力を入れており、多くの企業が女性管理職の比率向上を具体的な数字とともに目標として掲げています。コンサルファームへの転職の際は、ダイバーシティに取り組み、女性のキャリア育成に注力しているかどうかも基準にしてみてはいかがでしょうか。
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執筆者
- コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 コンサルティングカンパニー 営業
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- コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 コンサルティングカンパニー 営業