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コンサルがよく使うフレームワークを紹介!使い方の注意点も解説

コンサルがよく使うフレームワークを紹介!使い方の注意点も解説

情報整理や思考の深掘りではフレームワークが便利ですが、目的を持たずに使用することは危険

ビジネスで使われるフレームワークには多くの種類があり、すべてを覚えて利用するのは現実的ではありません。しかし、目的に沿ったフレームワークを使用すれば、情報整理や思考深化の手段として有効なツールとなります。支援領域やクライアントの業界などにより、適切なフレームワークは異なりますが、本記事では、コンサルがよく使うフレームワークを3つ紹介し、使い方における注意点も解説します。

そもそもフレームワークとは?

フレームワークとは、これまでの様々な知見の中から、”一般的にMECEであると言ってよいだろう” と思われている思考整理の枠組みを指します。情報を分析/整理する際は、担当者によってまとめ方が異なると内容を理解しにくくなることがよくあります。一方で、フレームワークを使用すれば、情報整理のばらつきを抑え、思考・発想の品質を向上させることができます。

コンサル業界では、通常、何らかの軸、つまり特定の観点に基づき情報を整理/分析します。この軸の設定は、コンサルにとって価値を提供する上で非常に重要であり、アウトプットが凡庸なのか相手の期待を超えたものなのかに大きく影響します。

しかし、この軸を毎回ゼロベースで考え抜くと、時間がかかる上に、MECEになっていない可能性があります。その代わりに、ビジネスの歴史で生み出された基本的なコツがあります。そのコツは、ベースとなるフレームワークを念頭に置いた上で、様々な視点から思考を強制的に深めていく方法です。ただし、フレームワークは、あくまでも経験的に「ある物事を整理する時に抑えておくべき項目」として使われるものであるため、絶対とは限らないことに留意しておきましょう。

フレームワークの一例紹介

前述のとおり、クライアントの業界や支援領域などにより、活用すべきフレームワークは異なります。こちらでは、数多くあるフレームワークのうち、経営戦略や事業戦略策定において使われることの多い有用なものを一例として紹介します。フレームワークに関する書籍などが多く出版されていますので、他にどんなものがあるかは個々人でインプットいただくと良いかと考えます。

3C

企業を取り巻く環境をCustomer(市場)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つの観点からアップローチして分析するフレームワークです。外部分析および内部分析を簡潔に組み合わせて、市場に対する自社の相対的な競合優位性を検証し、市場機会を発見することが目的です。

近年では、間接競争や代替品、新規参入者などを分析に取り入れると、自社の市場における立ち位置を厳密に定義することが難しくなり、3Cフレームワークの限界が生じることがあります。しかし、競争環境の全体を素早く把握できるという利点を考慮すれば、3Cフレームワークを活用する価値は十分にあるでしょう。

5Forces

業界の競争状況を理解するために広く知られたフレームワークです。企業の一般的な外部競争要因は「既存の競合他社」、「新規参入者」「代替品」「売り手の交渉力」「買い手の交渉力」の5つにMECEに分類されている点が特徴です。これらの競争要因は、業界の中長期的な収益性に影響を与えるため、俯瞰的に見ることで、現在の業界の収益性構造が明らかになり、経営戦略の策定に有益です。

市場のライフサイクル

「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」など、市場の時間軸を基にしたフレームワークです。どの市場でも盛衰があり、イノベーションやプレーヤーの参加者により拡大して、成熟期を迎えると徐々に衰退します。これが市場の「ライフサイクル」です。このフレームワークでは、市場参入時の顧客を重視し、市場のライフサイクルに応じて戦略を調整します。例えば、成長段階では差別化戦略が有効ですが、成熟段階ではコスト優位性が重要です。総じて、市場の変遷に合わせた戦略変更がカギとなります。

フレームワークを活用する際の注意点

コンサルワークでフレームワークを活用すると様々なメリットがあります。

  • 一目で情報を理解できる
  • 企業の課題を発見できる
  • 検討取りこぼしを防止できる など

かつては、企業の競争ポジションや事業の評価などを行うには、膨大な情報の収集や統計による分析が必要でした。しかし、現在では、評価基準が決まったフレームワークを使用すれば、経験や知識のない人でも手軽に経営分析が可能です。
ただし、フレームワークは、単なる”思考や発想法をまとめた「枠組み」”、つまり”ツール”に過ぎません。使用目的が明確であり、その目的の達成に寄与してはじめて有効なものといえます

誤った使い方を避けるためには、以下のポイントに留意することが重要です。

  • 目的を定めず利用する、または途中で目的を変更すると、評価軸が変わってしまうため、目的を決めてからフレームワークを利用すること
  • バイアスを最小限に抑えるために、客観的な観点から利用・分析するようにすること
  • フレームワークをただの情報整理の手段にとどめず、意思決定に向けた考察まで考慮すること

フレームワークは、様々な種類が存在し非常に便利なツールです。しかし、その意味合いや役割も理解できず単にこねくり回すだけでは、相手が求める価値を提供できない恐れがあります。この記事で述べたように、フレームワークは、強制的に考えを深堀りしたり、相手に情報を分かりやすく伝えたりするために有用なものです。目的を誤り濫用すると危険のため、注意が必要です。

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執筆者

T.P.
海外出身の新卒コンサル。堪能な日本語と高いパワポ作成スキルでインターン時のプレゼンでは社員を圧倒し、現在は即戦力として活躍中。大学時代の専攻はファイナンス。回遊魚のように動き続けるパワフルウーマンです。
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