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脱税ランキング2年連続1位になった「経営コンサルタント」について考えてみた(令和四年調査統計)

脱税ランキング2年連続1位になった「経営コンサルタント」について考えてみた(令和四年調査統計)

フリーランスのコンサルタントの方々もちゃんと納税しましょう(反面調査でデータは取得されております)

中小企業の社長たちには案外ニーズがあるのではと思い、クライアントの脱税を支援する新サービス「脱税コンサル」について検討してみました。というのは冗談で、今回は面白そうなので、「経営コンサルタントの高額脱税」について筆を執ってみました。

1.国税庁公表データ:脱税ランキング(2年連続第1位の経営コンサルタント)

先日、個人事業主・フリーランスを主とした脱税が多い業種ランキング*が国税庁から発表されており、経営コンサルタントが2年連続第1位にランクインしておりました。このランキングについて今回は考察してみたいと思います。
*正式名称は、「令和4事務年度 所得税及び消費税調査等の状況」です。

(引用:国税庁「令和4事務年度 所得税及び消費税調査等の状況」)

過去のランキングも遡ってみると、経営コンサルタントは脱税ランキング上位の常連客のようです。そして、経営コンサルタントが水商売に挟まれている年度もあり、筆者溝口は「なんて夢のある並びなんだ!」と心が躍りました(謎)。このランキングは、「事業所得を有する個人の申告漏れ金額(1件あたり)が高額な業種」を示しています。これらは1年の脱税額ではなく、税務調査の対象期間全てをまたがるデータだと思いますので、長くて5~7年での脱税総額になるかと思います。

そもそも今回のランキングに乗るようなものに関しては、無申告のケースと、納税はしながらも売上操作等で脱税するケースがあるものと思われます。

無申告といえば、数年前に活動自粛となった某芸人のケースを思い出す人も多いのではないでしょうか。また、風俗業やキャバクラの高額な申告漏れも、過去に特集された報道によると無申告のケースが多いようです。

さて、経営コンサルタントはどうかについて、この後言及していきます。

2. 経営コンサルタントの業務内容は?(概念編)

前提として、これら国税のデータは「事業所得を有する個人」という表現がされており、一般的なサラリーマンは源泉徴収されるものであり、対象外となるでしょう。例えば、上記収入はありつつも、キャバクラで副業というケースに関しては、キャバクラでの申告漏れというケースになり、今回の調査にも該当してくると思います。

その上で「個人としての経営コンサルタントの定義付け」を考えてみると、国税庁の文書には以下の記載があり、無形な経済活動は「経営コンサルタント」に入れられてしまっているような気がします…。

「平成30事務年度3位の『経営コンサルタント』は、平成28事務年度まで『その他経営サービス』として業種管理していたが、業態に合わせて管理を細分化したことに伴い初出したもの」

3. 経営コンサルタントの業務内容は?(実態編)

では、上記2章を考えたうえで、実際どういう人が脱税として告発されているのか考えてみました。こちらは筆者の妄想です。

・大企業相手に取引しているフリーのコンサルタント: 信用商売なので考えづらいものの、直接の取引ではなく仲介会社を通すケースもあり、この場合、安易に考えてしまい申告漏れなんてこともあるのでは。
・成功報酬型のコンサルとして中小企業相手にやっている方:成功時の身入りが大きく、波が大きいものの、いつもの癖で無申告なんてことはあり得なくもなさそうです。
・いわゆる顧問業をやっているフリーの方:月10万円の顧問料で小口での取引が多く、申告漏れのケースは多いような気もしております。例えば月10万円の顧問料で10社と締結で年収1,200万円となり、複数年になれば十分至ります。
・セミナー等で登壇するような方:こちらは顧問業同様一回の取引額は大きくないものの、現金受け取り等も駆使できるような気がしており、一定あり得ると思えます。

上記は真面目なケースですが、脱税以外のそもそもの犯罪ケースも考えると、以下のようなものを挙げることができます。

・投資詐欺師
・不動産コンサル(地面士等?)
・脱税指南コンサル(B勘業者等)

4. 最後に:本当のコンサルタントへの風評被害!?

上述の通り、国税庁発表の「経営コンサルタント」には、「経営コンサルタント」を自称する悪徳業者も含まれているのではないかと思っています。そして、これらの悪徳業者による悪意ある高額脱税が、「経営コンサルタント」を脱税ランキング上位の常連に押し上げている要因なのでは、というのがここでの結論です。ひいては、国税庁に目を付けられる業種にもなっており、厳しく調査されやすいというのもあると思います。

但し、世間一般の反応としては、
「経営コンサルタントなんて詐欺師だ」
「他人をコンサルする前に、自らをコンサルしろ」
と非難轟々の状態で、”本当の経営コンサルタント”の評判を落とさないでいただきたいものです…。せめて、本当の経営コンサルタントの読者の皆様には”うっかり申告漏れ”がないように、きちんと納税し続けていただければと思います。

関連する過去の記事も併せてご参照ください。

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執筆者

H.M.
H.M.コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 コンサルタント
ITやBPR領域でのコンサルティングを得意とする。新規領域でコンサルとしてのキャッチアップ能力の速さと無駄なことをしないスタンスで、周りを巻き込みながら最適なアプローチで課題解決をはかる。
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