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Deloitte Football Money League 読んでみた|2018ワールドカップ特集

Deloitte Football Money League 読んでみた|2018ワールドカップ特集

デロイトが刊行する「Deloitte Football Money League」からサッカービジネスの概要と今後の動向を読み取ってみました。

【2018ワールドカップ特集 | デロイト編】サッカーをスポンサードするコンサルファームで軽くご紹介だけしました「Deloitte Football Money League」をインプットにし、サッカービジネスを紐解いてみたいと思います。

サッカークラブのビジネスモデル

サッカービジネスは、放映権料・スポンサー料・入場料の3つが大きな柱となっています。

・放映権収入
放映権料は、サッカービジネスにおいて最も大きな収入源であり、収入トップ20クラブの合計収入のうち45%を放映権収入が占めます。収益の流れとして、まず放送局から各国リーグの運営団体や、ヨーロッパ全体でのリーグを運営するUEFAに支払われます。そして運営団体は、各クラブに対して貢献度(出場試合数や視聴率等基準はリーグによる)を基に支払われた放映権料を分配しています。

例えば、2016-17シーズンからプレミアリーグは、史上最高額の放映権契約を発効しており、その結果、マンチェスター・ユナイテッドは元々の2億ポンドからさらに5370万ポンド増額の放映権料を手に入れ、収入世界トップとなっています。
リーガ・エスパニョーラではこれまで、放映権料を国内二強のFCバルセロナとレアル・マドリードが独占していました。しかし、他クラブの反発運動を通して2016-2017シーズンから他のクラブにも放映権料が分配されるようになりました。放映権料の再分配により国内二強体制が崩れるのではないかと注目されています。

・スポンサー収入
企業が広告宣伝やブランディングの為にチームのスポンサーとなることで、クラブ側にはスポンサー料が収入として入ってきます。
最近話題となったものとしては、楽天とバルセロナのスポンサー契約65億円というものでしょう。楽天はスポンサー料の支払いだけではなく、インターネットを通したプロモーション支援も行うとしています。
また、Jリーグに関しては、地域活動、CSRの一環としてスポンサー契約が結ばれることが多く、例えば、デロイトはFC今治のソーシャルインパクトパートナーとして、クラブを通した地域活性化を図る(例:デロイトのコンサルメンバが地域の若者に起業セミナー)取り組みを行っています。

・入場料
収入トップ20クラブの収益割合としては全体の約17%程度となります。しかし、チームの成績・スタジアムの大きさによってはこの収益割合が大きく異なります。
Jリーグにおける平均割合は20%ほどですが、入場料が収益のうち1/3を占める浦和レッズのようなチームもあります。またスタジアムの改築があった年は、大きく収入を伸ばす傾向にあります。

サッカービジネスの今後

サッカービジネスは成長産業です。1億5000万ユーロ以上の収入があるクラブは、3シーズン前は10クラブほどでしたが現在は30クラブまで増えています。また、欧州主要リーグ以外のクラブでも成長が盛んであり、例えば中国スーパーリーグは、国内の市場規模の大きさからサッカー関係者に常に注目されています。広州恒大など中国国内トップチームでも収入額は世界20位のエバートンと比較して、38%程度しかなく、伸び代が大きいと言えます。今後も欧州のスタープレイヤーが中国に移籍するなど注目を集め、入場料収入やスポンサー収入も増えていくでしょう。

このような成長著しいサッカービジネスに多くのコンサルファームが注目するのは当然の流れかもしれません。

さて、日本はどうでしょうか。現在、世界トップ収入であるマンチェスター・ユナイテッドの870億円に比べ、Jリーグトップの浦和は66億円です。特に放映権料収入は100倍近くの差があります。
しかし、ワールドカップでの日本代表の活躍、スター選手の移籍等により注目を浴び、短期的には多くの成長要素があります。Jリーグを長期的に注目されるリーグにすることが、日本クラブの発展には不可欠です。

コンサルはどう関わるか

デロイトの場合ではありますが、関わり方は以下の4つに分けられます。
◇ガバナンス・戦略 経済的影響の分析、組織設計、ビジネスプランの作成等
◇収入の最適化 ブランドプロモーション、ビジネス開発
◇スポンサー・オーナーの投資支援・情報提供 財務DD、スポーツビジネスM&A、
◇財務法務支援 監査・コンプライアンス、税制アドバイス、紛争解決

サッカービジネスの戦略、実行、バックオフィスすべてにおいて、支援できるナレッジをコンサルファームは持っています。収入の多いクラブの増加などから、コンサル需要はサッカービジネスにおいて今後さらに高まっていくでしょう。

https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/consumer-and-industrial-products/articles/sb/football-money-league2018.html
(Deloitte Football Money League 2018)

[v035]

執筆者

山中 悠太郎
山中 悠太郎コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 コンサルキャリアカンパニー
外資自動車メーカー2社を経験した後、コダワリにジョイン。
コンサルティングワークもこなす傍ら、人材紹介事業の事業責任者やコダワリの人材開発業務や採用統括業務など含めて幅広に従事。
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執筆者

山中 悠太郎
山中 悠太郎コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 コンサルキャリアカンパニー
外資自動車メーカー2社を経験した後、コダワリにジョイン。
コンサルティングワークもこなす傍ら、人材紹介事業の事業責任者やコダワリの人材開発業務や採用統括業務など含めて幅広に従事。

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