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採用は意外と旺盛?!2024年最新コンサル業界採用動向|コンサルのホンネ

採用は意外と旺盛?!2024年最新コンサル業界採用動向|コンサルのホンネ

絞り傾向の外資に対して日系は拡大傾向。その理由とは?

現役コンサルが徒然なるままに綴るコラム「コンサルのホンネ」では、ハードワークの合間に思いついたことを思いつくままに語ります。第七回のテーマは「アベる人続出も採用は旺盛?!2024年コンサル業界最新採用動向」。2024年3月時点の概況を書いてみます。ホッと一息つくも良し、同じテーマで考察してみるも良し、お気軽にお読みください。

ちょうど1年前の2023年3月に、アクセンチュア、KPMG、マッキンゼーが人員解雇をするニュースがグローバルを駆け巡りました。立て続けだったこともありインパクトのあるニュースでしたが、その当時国内ではアクセンチュアやBig4がリードする形でコンサル業界の採用競争が続いていたこともあり実感の湧きづらいニュースでもありました。

しかし、遅れて日本にも影響がやってくるのではないかと推測されており、実際のところ2023年後半から採用活動にブレーキがかかった感がありました。そして、2024年も四半期を経過した今、概況どの様になっているのかまとめてみました。コラムですので、あくまで一個人の意見として捉えて下さればと思います。

採用は縮小してるのか

日本のコンサル業界全体としては縮小していない、と言えるのではないかと思います。

たしかに、外資系大手は以前の様に採用はしていないため、“縮小”という印象を持たれがちですが、日系ファームやブティック系ファームにおいては以前と変わらず、若しくはより積極的に採用活動に注力している印象です。これまで外資有名どころに競り負けていたのが転じて、優秀な人材の採用がし易くなったからというのもあります。さらに、コンサルティングへの(クライアントからの)需要は引き続き旺盛であり、日系ファームやブティック系ファームでは引き続きコンサルタント不足な状況です。

コンサルファームは、基本的にクライアントからフィーをもらうビジネスですので、「クライアントが元気ならファームも元気」という構造となっています。つまりクライアントからのコンサルニーズがある(クライアントは元気)≒ファームも元気なハズですが、採用を絞っている会社では何が起きているのでしょう?

採用を抑えているファームは何が起きているのか

読者の皆様はご存知の通り、コンサルティングファームの事業規模を構成する要素は非常にシンプルで、「事業規模=コンサルタント数×単価」と分解することができます。

自社のコンサル人員数を増やすため、コンサルタント(人材要件を下げた未経験者も含む)の採り合いが発生し、コンサルティングファームにおける年収レンジが年々高くなっていきました。また、人件費上昇に伴い、且つ事業規模を拡大するために単価も年々上がっていきました。

外資系大手は顕著にこの傾向が強く、一方で日系ファームはそこまで追随はしませんでした。

とにかく人員を増やし単価を上げてきたファームでは、コンサルタントの質が高くない(人材要件下げて採用してきたので当然)のに単価が高い(クライアントからすれば請求金額がお高い)と評されることが発生します。クライアントが離れることにつながってしまい、そういったファームでは案件を取ることができず、人員余りの状態となります。ファームによっては20%以上もコンサルタントがアベっているところもあると聞きます。これでは新規採用をしている場合ではないというのが明らかです。

ちなみに、クライアントとしては他のファームを探す様になり、結果としてこれが日系大手やブティック系に流れてきている様に感じています。

さらに昨年から今年にかけて、SIである富士通やNECが本格的にコンサルティング事業に取り組むというニュースがありました。

・日経クロステック「SI企業から脱却なるか、富士通が人員5倍の1万人体制で挑むコンサル事業の成否
・日本経済新聞「NEC、DX支援のコンサル人材倍増 25年度1000人に

今後は、日系大手・ブティックファームに加え、コンサル機能を有するSI企業が人材獲得競争に加わりますので、採用は縮小どころか拡大傾向ともいえるでしょう。

コンサル経験者の動き

前段の様な採用抑制中のファームに在籍するコンサルタント、特にM upとなるコンサルについては、自身はアベっておらずとも会社の状況に不安を感じる、もしくは人員を入れられる案件の獲得ありきになるという状況になります(正しくは、そういう方が結構多いと聞いております)。そうすると、自身のコンサルバリューを発揮でき、しっかりクライアントに貢献できる環境を外部に見出そうとする流れが起きつつあるようです。

日系ファームやブティック系ファーム・SI企業からすれば、「是非とも一緒に働きたい」「1つのチームを引っ張っていってほしい」と思う様な人材が多いわけですから、ここの利害関係と言いましょうか需給が一致するわけです。

転職を検討中のコンサルの方は、業界自体の採用は引き続き活況ですので安心して活動を進めてよい状況と言えますが、今まで通り選び放題というわけでもありませんので、ある程度の情報収集と慎重さを持って臨むことをおすすめします。

コンサルを目指す人はどうしたらいいのか

一部の大手ファームにおいて未経験大量採用がなくなっているのが現状ですので、以前よりは門戸は狭まっていると言えます。ただ前述の通り、業界として未経験採用を止めたわけではないので一概に悲観する必要はありません。しかし、外資系大手のケースを横目で見てはいるので未経験採用に対しては慎重になっているのも事実で、自然と人材要件が上がってきています。

以前よりも、自身の経験とスキルにマッチするファーム及びポジションを見極める必要があります。言い方を変えれば、ネームバリューに惑わされることなく評価してくれる会社を探すべしとなります。厳しいようですが、見つからなければ自身の経験とスキルがコンサルという仕事に対しては不足していると捉え研鑽すべしとなります。

未経験という意味では、新卒採用にも中途同様の影響はあるものの影響度合いは小さい様に思えます。超優秀就学生を採用して育て上げるという文化がコンサルファームには元々あり(戦略コンは特に)、新卒採用を思いっきり絞る様なことはないでしょう。

就活生に人気のブランドのあるファームは、人数調整で24卒までの採用よりも狭き門になっているようですが、逆に適正になっているのではないかと業界内にいる者からすると感じています。

ではどうしたらいいの?となるわけですが、やれることはこれまでと変わらないはずです。しっかりコンサル業界とコンサル業務を理解し、イメージで捉えるのではなくファーム毎に企業としての特徴を捉えるよう努め、日常から思考を回しシンキングタフネスを鍛えることです。就活対策が本コラムの論点ではないので、これ以上は控えさせていただきます。

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執筆者

山中 悠太郎
山中 悠太郎コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 コンサルキャリアカンパニー
外資自動車メーカー2社を経験した後、コダワリにジョイン。
コンサルティングワークもこなす傍ら、人材紹介事業の事業責任者やコダワリの人材開発業務や採用統括業務など含めて幅広に従事。
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執筆者

山中 悠太郎
山中 悠太郎コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 コンサルキャリアカンパニー
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コンサルティングワークもこなす傍ら、人材紹介事業の事業責任者やコダワリの人材開発業務や採用統括業務など含めて幅広に従事。

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