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フリーのコンサルタントが支払うべき税金とは?|独立前に知っておきたいおカネの話

フリーコンサルの税金・社会保険・手取りについて言及。今回は税金について言及
目次
フリーコンサルは、税金についての知識が必要だが怯える必要はない
今回はコンサルファームに所属するコンサルタントが独⽴してフリーランスとなることを想定して、税⾦⾯でどのように異なるのか、纏めてみます。(株式会社では無く、個⼈事業主の場合について⾔及します)。
会社員だと、税金絡みは会社がやってくれるので、あまり意識しないと思います。たまに給与明細の所得税・住民税の欄を見て「うおっ、こんなに引かれてるの?」と驚愕するぐらいではないでしょうか。なので、フリーランスになったら「どんな税金があるのか?」「税金の計算できるのか?」など、得も言われぬ不安を抱くのは無理もないことです。しかし、世の中にはたくさんのフリーランスがおり、彼らは問題なくやっているわけで、知ってしまえば、なんていうことはありません。
フリーコンサルの支払う税金は、基本一緒、ただし違いもあり
支払う税金は、会社員でも、フリーランスでも、基本は一緒です。所得税と住民税は同じですが、フリーランスには、「消費税」と「個人事業主税」といったものが登場します(所得税と住民税も算出方法が少々異なるので、まったく同じというわけではありません。)
・消費税:売上の8%(2018年8月現在)
・個人事業主税:ほとんどの業種において課税対象所得の5%
※ 消費税は開業2年間、及び、売上1,000万円未満は払わなくてよくなります。
同様に、個人事業税は課税所得が290万円未満の場合、免除となります。
これら税金は「そういう税金があるんだな」ということを把握し、詳細は必要に応じてネットで調べればよく、不安であれば税理士や有識者に相談するようにしましょう。
ちなみに、消費税は、クライアントに請求・受領したものをプールしておき、1年に一度まとめて支払うことになります。消費税分を使い込んでの夜の豪遊などはやめましょう(笑)
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会社員とフリーコンサルの税金の合計を比較してみた(給与とコンサルフィーがイコールという前提)
35歳。独身(一人暮らし)。東京都中央区在住。2018年度に支払う前提で算出。
フリーコンサルは、青色申告、経費として200万円計上とする。
控除は基礎控除のみ。
■年収(売上)800万円のケース(年額)
コンサルファーム 勤務 |
フリーコンサル | |
所得税 | 約70万円 | 約57万円 |
住民税 | 約57万円 | 約50万円 |
個人事業税 | 約16万円 | |
消費税 | ||
合計 | 約127万円 | 約123万円 |
■年収(売上)1,500万円のケース(年額)
コンサルファーム 勤務 |
フリーコンサル | |
所得税 | 約256万円 | 約241万円 |
住民税 | 約125万円 | 約120万円 |
個人事業税 | 約50万円 | |
消費税 | 約52万円 | |
合計 | 約381万円 | 約522万円 |
年収が倍近くなるとフリーコンサルのほうが支払う税金の種類も増えることもあり、フリーコンサルのほうが多く支払うことになります。
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税金に怯えないために、確定申告を仮でやってみる
なにごとも知らないと過度に怯えるものです。ですので、1回やってみて、感覚を掴むというのが大事です。税金も例外ではありません。ここでは、あまり世間でやる人は多くはないようですが、案外、効果的と考えられる「確定申告を仮でやってみる」という手法をご紹介します。大きくは3つのステップとなります。
Step1: 国税庁の確定申告サイトに行き、何を入力すべきか知る
コンサルたるもの、アウトプットイメージが大事ということで、国税庁の確定申告サイト ( https://www.keisan.nta.go.jp/h29/ta_top.htm#bsctrl )に行き、決算書・収支内訳書など、最終的に出さねばならない書類を作ってみましょう。この時点では、数値などは仮でよいです。あくまで、ゴールから逆算するために、ゴール(最終的に何を出さねばならないのか?どんなデータを準備すればよいのか?)を把握できればよいのです。
Step2: 仮に約1カ月分の帳簿をつけてみる
次に、手元にある領収書と請求書をかき集めましょう。1カ月分もあれば、充分かと思います。そして、会計ソフトに1ヶ月分の売上と経費を仮入力してみます。この時点で「会計ソフトの必要性」や「基本的な簿記知識の必要性」を、1年後の確定申告の時期を待たずして実感することができます。会計ソフトはネットで調べればフリーのものが出回ってますし、簿記知識もこの機会に最低限、仕訳ができるぐらいは会得しておきましょう。
Step3: 国税庁の確定申告サイトで、収支内訳書・確定申告書を出してみる
帳簿データが揃ったら、国税庁の確定申告サイトに行き、データを入力していきましょう。帳簿データを12倍して1年分として入力してみるとよいかと思います。そして、収支内訳書・確定申告書を出してみます。確定申告書を見れば、1年後に支払うべき税金のイメージがつかめるかと思います。
ちなみに、筆者知人のフリーコンサルは、上記を簡単な作業手順書にまとめ、毎年使いまわしています。1年に1回しかやらないので、忘れがちであり、毎年ゼロベースでやり始めると工数が馬鹿にならないためです。
決算・税務申告めんどくさいというそこのあなた
確定申告の業務は、めんどくさいと思うのが正直なところでしょう。フリーコンサルは売上が単発なので(1ヶ月1件程度で、多くても2件程度だと思いますので)、申告作業としては楽な分類ではあるものの、それでもめんどくさいのが実際です。税理士に頼んでも、税理士のランクにもよりますが、5~15万程度が相場です。なので、税理士先生に頼んでしまうのも一つの手段であり、その分売上に繋がるアクションをするほうが良いかもしれません。
(決して税理士協会の回し者ではありません)
今回は、フリーランスのコンサルの税金についてまとめてみました。総じて、知らないと不安なものですが、概要を掴んで1回やってみれば、なんてことはありません。確定申告の時期が来て、慌てないよう、コンサルらしく、事前検証して感覚を掴んでおくことをオススメします。
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次回はフリーコンサルの社会保険について触れたいと思います。
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執筆者
- コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社
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