未経験でITコンサルタントになるには ～前編～ ITコンサルとは何か？SEとの違いは？

ITコンサルタントが目指すのは、企業のIT戦略を具現化し、ビジネス目標の達成を促進することですが、具体的にどのような業務を行い、どのようなスキルが求められるのでしょうか？本記事では、ITコンサルタントの職種について詳細に解説し、年収やキャリアパスの展望から、システムエンジニアとの違い、さらには業界ごとの専門スキルまで、豊富な情報を提供します。これからITコンサルタントを目指す方々、また既にこの道を歩み始めている方々に、ヒントと具体的な行動指針を示します。

ITコンサルタントの基本情報

ITコンサルタントとは何をする職種なのか

ITコンサルタントは企業の情報技術戦略を計画、実行し、最適な技術ソリューションを提案してビジネス目標の達成を支援する専門職です。彼らは技術的な知識とビジネスの理解を兼ね備え、システムの導入から運用、改善に至るまでの幅広いプロジェクトに関与します。クライアントの要求を分析し、それに最適なITサービスやソフトウェアの導入を計画・管理することが主な職務です。

ITコンサルタントの年収とキャリアパス

ITコンサルタントの年収は経験、スキル、勤務地によって異なりますが、一般的には高収入が期待される職種です。入門レベルの年収は通常400万円からスタートし、経験が増すにつれて1,000万円以上になることも珍しくありません。上位レベルのコンサルタントやマネジメントポジションに就くと、年収はさらに上昇します。キャリアパスとしては、シニアコンサルタント、プロジェクトマネージャー、ITディレクター、CIOなどへと進む道があります。

ITコンサルタントとシステムエンジニアの違い

ITコンサルタントとシステムエンジニアは、役割には明確な違いがあります。システムエンジニアは主にソフトウェアやシステムの開発、テスト、運用に焦点を当てた技術的な業務を行います。一方、ITコンサルタントはクライアントのビジネスニーズを理解し、それに合わせたIT戦略を立案・実行することが求められます。

つまり、ITコンサルタントは技術的な提案だけでなく、ビジネスの観点からもソリューションを考える必要があるのです。そのため、求められるスキルセットも当然異なり、SEの延長線上にITコンサルタントがあるとは一概には言えません。

実際の仕事内容と業務の流れ

クライアントへのヒアリングから提案までの一連の流れ

ITコンサルタントの仕事は、まずクライアントの現状と課題を把握することから始まります。ヒアリングを通じて、クライアントのビジネスプロセス、技術環境、目指す目標を詳細に調査します。この情報を基に、最適な改善策や解決策を提案します。提案は、クライアントが求める価値を具体的に示し、期待する成果を明確にする必要があります。

コンサルティングプロジェクトの典型的な業務内容

コンサルティングプロジェクトでは、戦略立案から実行、評価までを担います。プロジェクトごとに目標を設定し、それに向けたロードマップを作成します。業務の効率化、コスト削減、リスク管理など、クライアントのニーズに応じた多岐にわたる戦略が求められます。進行管理も極めて重要で、プロジェクトの各フェーズで成果を評価し、必要に応じて計画を調整します。

ERP、CRM、SCMなどのシステム導入支援業務

ERP（Enterprise Resource Planning）、CRM（Customer Relationship Management）、SCM（Supply Chain Management）といった統合システムの導入支援も、ITコンサルタントの重要な業務の一つです。これらのシステムを通じて、クライアントの事業運営を全体的に最適化します。導入プロジェクトでは、要件定義、システム選定、カスタマイズ、テスト、導入後のサポートまで、一貫した支援を行います。

産業ごとのITコンサルティングの役割

金融、製造、サービス業界でのコンサルティング特性

金融業界では、リスク管理やコンプライアンス対応の最適化が求められます。製造業では、サプライチェーン管理や生産プロセスの効率化が中心です。サービス業では、顧客満足度向上を目的としたCRMシステムの導入が一般的です。それぞれの産業で求められるコンサルティングスキルが異なるため、専門知識が非常に重要です。

最新のIT戦略とその業界での実装例

最新のIT戦略には、AIやビッグデータの活用が含まれます。金融業界では、AIを用いた不正検出システムが導入され、製造業ではIoTを活用した設備管理が進んでいます。サービス業では、ビッグデータを利用した顧客行動分析が成功事例として挙げられます。これらの戦略が業界ごとにカスタマイズされ、実装されています。

ビジネスとITの結合におけるプロフェッショナリティの向上

 ビジネスとITの結合は、企業が競争優位性を維持するために不可欠です。プロフェッショナルは、ITスキルだけでなくビジネス理解も必要とされています。成功するITコンサルタントは、技術的な知識に加えて、ビジネスプロセスの改善に貢献する戦略的な思考能力を有しているのです。

ITコンサルが手掛ける支援内容について、さらに詳しく解説した記事はこちら▼

ITコンサルとは？を活用シーンと共に徹底解説！｜企業の課題とITの橋渡しを担う「IT領域」 ‐コンサル７...

www.consul.global

2022.01.27

（まとめ）ITコンサルタントになるための前提知識

今回は、ITコンサルタントの業務内容、キャリアパスおよび産業別の特性について詳しく解説しました。経験に応じた年収の見込み、業界ごとの役割の違い、そしてITとビジネスの結合がなぜ重要であるかについてなど、この職種を目指す方々にとって、効果的なキャリア形成のた参考にしていただければ幸いです。

次回は、具体的に求められる必要スキルや資格、転職・キャリアアップについてより具体的に解説します。

ITコンサルへの転職、フリーコンサルとしてITコンサル案件の獲得をお考えの方は、こちらまでお気軽にご相談ください。あなたのご希望・キャリアに沿ったご支援をさせていただきます。

［v261］

執筆者

K.G.

前職ではコダワリ・ビジネス・コンサルティング社にて社長秘書・営業部長を歴任。退職後は海外を拠点に多国籍企業のコンサルティングに特化したフリーランスコンサルタントとして、IT戦略、ビジネスプロセス改善、組織再編に関する専門知識を活かし、クライアントに対してデジタル変革と効率化の推進を支援している。
最新のグローバルトレンドと戦略的思考を強みにコダワリ社の理念であるGNH量産に奔走している。

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