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SAPコンサルが足りない3つの理由|SAPってなんやねん? vol.2

SAPコンサルが足りない3つの理由|SAPってなんやねん? vol.2

前回「そもそもSAPとは? vol.1(そもそも編)」に続き、今回vol.2として2025年問題やSAP人材について言及していきます。

~SAPってなんやねん?シリーズ~

SAPの代表的なモジュール一覧

前回、SAPがなぜ企業から支持されるのかご説明いたしましたが、それに加えてモジュールの充実も支持されるポイントと言えます。モジュールが充実しているので、「業種・業界を問わない」という側面や、オンプレミスでもパブリッククラウドでも運用が可能なため「既存のITインフラを問わずに導入できる」というのも、シェアを伸ばしている重要なファクターだと考えられます。

数多く存在するSAPのモジュールですが、代表的なものを下記に並べました。
個々の詳しい説明は避けますが、モジュールはアルファベット2語で略されるものが多く、右記が正式名称となります。

SD 販売管理(Sales and Distribution)
MM 在庫購買管理(Material Management)
PP 生産計画/管理(Production Planning and Control)
PM プラント保全(Plant Maintenance)
WM 倉庫管理(Warehouse Management)
FI 財務会計(Financial Accounting)
CO 管理会計(Controling)
HR 人事管理(Human Resources)
PS プロジェクト管理(Project System)
QM 品質管理(Quality Management)
IM 設備投資管理(Investment Management)
RE 不動産管理(Real Estate)
CA-DMS 文書管理(Document Management System)
CA-CL 分類(Classification)
CA クロスアプリケーション(Cross Application)

※この他にもサブモジュールなども存在します。

モジュール一つにしても専門的なスキルが必要となるため、SAPコンサルが重宝されることとなります。

SAP 2025年問題とは

SAPを導入している企業を悩ませている「2025年問題」について言及致します。

【現行サービスの保守期限切れにより、移行に頭を悩ますユーザー企業】
「SAP2025年問題」とは、現行サービスのSAP ERPや同製品を包含したSAP Busiess Suiteなどの保守サポートが、2025年に終了することを指します。製品ライセンスが無効になるわけではありませんので、現行バージョンのまま運用を続ける方針のユーザー企業もありますが、デザインや機能の更新、システムの品質改善はされなくなりますので、今後の重要な課題として残ります。

前回ご紹介しましたが、SAPは、“SAP R/1”→“SAP R/2”→“SAP R/3”→“SAP ERP”と4世代に渡ってバージョンアップを繰り返してきました。そして次世代サービスにあたるのが、”SAP S/4HANA”です。

SAP社は、2025年のサポート終了にあたり、“SAP S/4HANA”への移行を促している訳ですが、ユーザー企業が頭を抱えている問題というのは、この新サービスへの移行に起因しているのです。

【次期サービスからデータベースのマルチプラットフォームを廃止】
SAP社の意向により、今までマルチプラットフォーム対応だったSAP ERPのデータベースが、“SAP S/4HANA”には適用されないのです。近年、SAP社は“SAP ERP”に対して、機能の詰め込みで肥大化したシステムのリアルタイム性に課題があるとしていました。データ連携のリアルタイム性はERPの概念において重要な要素であり、SAP本来の強みでもあります。
そういった背景から“SAP S/4HANA”には、高速データ処理に特化したデータベース(詳しくは本記事では言及しないことにします)を採用しており、既存のデータベースを切り離してでもユーザー企業に移行するよう促しているのです。

上記は“SAP ERP”に満足しているユーザー企業からすれば、ベンダー都合とも取れる問題です。手間やコストのかかる新システムへの移行に踏み切れない理由の一つでしょう。

いずれにしてもユーザー企業は、現行モデルを使い続けるか、新製品に移行するか、または他社の製品に乗り換えるか、今後の選択を迫られているという訳です。

ユーザー企業を悩ませているこの「2025年問題」ですが、冒頭でも触れた通り“SAP S/4HANA”への移行を相談される企業が増えておりますので、結果としてSAPコンサルへの需要増加に拍車をかけているわけです。

最近のSAPコンサル需要の高さ

上述でも説明しましたが「SAPが売れていること」、「2025年問題を抱えていること」、「各モジュール導入やABAP開発言語などの専門性の高さ」などから、SAPコンサルに対する需要が非常に高くなっています。
また、SAP導入パートナー企業も多いため、コンサル案件の引き合いも多い傾向にあります。

【SAPコンサルになるには?】
当サイト運営会社のコンサルティング事業部の社員からも、「もっと前からSAPを掘り下げてSAPコンサルになればよかった…」などという声も上がっております。それではSAPコンサルになるにはどうしたらいいのでしょうか?

<プロジェクト実績を積む>
1つが、ERP導入プロジェクトや基幹業務アプリケーション導入プロジェクトで経験を積み、その経験を生かしてSAP案件に参画をすることでSAPの経験とスキルを上げていく方法です。
SAP導入を経験したコンサルタントの需要は高い傾向にあります。

<認定資格を取得する>
認定資格を取得する方法もあります。
SAPには、SAP社が主催する認定資格が存在しており、資格取得者はSAP認定コンサルタントとしてグローバル認定されますので、公式に名乗ることができます。

Ξ SAPグローバル認定資格について知りたい方はこちら

試験の種類も無数にあり、日本語で受けられる試験だけでも50種類以上あります。引き合いのある領域を考慮して試験を見極めることも重要です。
種類を大きく分けると下記の3つに分類されます。

・アプリケーションコンサルタント(主に業務コンサルタントが対象)
・デベロップメントコンサルタント(主にプログラマーが対象)
・テクノロジーコンサルタント(主にインフラエンジニアが対象)
※出題範囲などについては、SAP社の公式サイトで確認することが出来ます。

とても魅力的な資格ですが、SAPについて深い知識が必要で、簡単に受かるものではありません。

SAP社は知識のインプット方法として、クラスルーム形式で受けられる講義やオンラインで学習できるSAPコンサルタント育成トレーニングなどを主催しています。しかしながら、どちらも約40万円~80万円前後の費用がかかりますので、個人で受けるには費用的になかなか難しいところがあります。

SAP案件や、SAP求人案件において、必須の「応募資格」が定義されることはありませんが、SAP認定資格を有していると参画確率もしくは採用確率が上がることは間違いありません。

魅力的な認定資格ですが、コンサルファームによっては、研修費用として全額負担してくれるケースもあるようです。
ご自身の環境によっては、今から本気でSAPコンサルを目指すのも選択肢としてはありかもしれません。

Ξ SAP案件をお探しのフリーランスコンサルタントの方はこちら

Ξ SAPの経験を活かした転職をお考えの方はこちら

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執筆者

谷藤 絲音
谷藤 絲音コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 コンサルキャリアカンパニー
空手選手として活躍し、フルコンタクト空手道場で正指導員を務める。
その後ITマーケティング企業にて営業部長から事業部マネージャーを経験し、コダワリ・ビジネス・コンサルティングへジョイン。
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執筆者

谷藤 絲音
谷藤 絲音コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 コンサルキャリアカンパニー
空手選手として活躍し、フルコンタクト空手道場で正指導員を務める。
その後ITマーケティング企業にて営業部長から事業部マネージャーを経験し、コダワリ・ビジネス・コンサルティングへジョイン。

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