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どこのファームの株が買い? | 上場コンサルファームの時価総額ランキング(2023年時点)

どこのファームの株が買い? | 上場コンサルファームの時価総額ランキング(2023年時点)

景気連動性のあるコンサル業界、日本経済全体の伸びよりも好調

これまで当サイトでは、コンサルティング業界の市場規模や将来予測、上場ファームの売上情報などを発信して参りました。今回は、日本国内で上場しているコンサルティングファームの時価総額(2023年時点及び過去の推移)について情報を取りまとめ考察をしていきます。また、参考として一部の上場しているグローバルファームの時価総額などもご紹介します。勢いがある業界といわれているコンサル業界ですが、実際にそういえる状態になっているのでしょうか?

コンサル業界における上場と時価総額について

本記事では、コンサルティング業界カオスマップ2023掲載企業のうち上場しているファームを対象として、ある特定時点での「株価×発行済株式数」を求め、各ファームの時価総額をランキング形式でまとめました。

ただし、そもそもコンサル業界においては上場している企業が多くはありません。世界的に有名なMBB(マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン・コンサルティング・グループ、ベイン・アンド・カンパニー)は上場しておりませんし、BIG4(デロイト、PwC、EY、KPMG)も独立性の観点から上場していません。アクセンチュアなどはニューヨークで上場しておりますが、国内で上場している企業は、カオスマップに掲載したファームの中で約25%(64社中15社)となっています。

コンサルファームが上場するメリット・デメリットについて簡単にご紹介します。

■デメリット1:情報開示が必要となり、秘匿性が担保されない
■デメリット2:業務統制の厳しさ
■デメリット3:敵対的買収対策

■メリット1:資金調達のしやすさ(コンサルティング事業以外も行うファームにとっては大きなメリット)
■メリット2:知名度・社会的信用度の向上により、新規の顧客獲得や優秀な人材の採用を行いやすい。

(詳細はこちらの記事をご確認ください。)

しかし、「時価総額」は企業あるいは市場全体の価値や規模を評価するための重要な指標となります。今回算出した数値を投資目的のほかコンサル業界への転職・就職時の参考としてお役立ていただければ幸いです。

上場ファームの過去6年の時価総額変遷

ここからは国内で上場しているファームの時価総額、及び過去6年間(2017年度~2022年度)の時価総額変遷についてご紹介していきます。

まず、2023年3月末時点での時価総額ランキングは以下の様になります。野村総合研究所(NRI)をはじめ上位にはSIを行う企業がランクインしてきております。コンサルティング事業のみとなるベイカレントが3位と健闘している状況です。

2023年3月31日時点時価総額一覧

順位企業名株価(終値)発行数(株)時価総額
1位 野村総合研究所3,065     593,652,242  1兆8,195億円 
2位TIS3,490244,445,4118,531億円
3位ベイカレント・コンサルティング5,450155,411,4108,469億円
4位フューチャー1,81995,328,0001,734億円
5位船井総研ホールディングス2,71052,000,0001,409億円
6位シンプレクス・ホールディングス2,43657,250,6751,394億円
7位三菱総合研究所5,10016,424,080837億円
8位コアコンセプト・テクノロジー3,46517,167,200594億円
9位シグマクシス・ホールディングス1,13446,308,600525億円
10位山田コンサルティンググループ1,53119,896,000304億円
11位ドリームインキュベータ2,75510,465,100288億円
12位INTLOOP6,1904,624,400286億円
13位ビジネスブレイン太田昭和2,10312,725,000267億円
14位タナベコンサルティンググループ90217,508,400157億円
15位フロンティア・マネジメント96611,481,998110億円

*2023年3月末時点で時価総額が高い順番で掲載
*“IR BANK”や“株探”で公開されている数値を参照

参考までに各ファームの2022年度の売上額は以下の様になります。企業によって決算時期が異なるため、直近の通期決算売上を取り上げております。売上額と時価総額が一概に相関しているわけではないことがお分かりいただけるかと思いますが、中でもベイカレントが売上額のわりに時価総額での評価が高いことが目立ちます。

2022年度通期決算売上一覧

順位企業名売上額
1位野村総合研究所6,921億円
2位TIS5,084億円
3位三菱総合研究所1,166億円
4位ベイカレント・コンサルティング760億円
5位フューチャー537億円
6位ビジネスブレイン太田昭和370億円
7位シンプレクス・ホールディングス349億円
8位ドリームインキュベータ301億円
9位船井総研ホールディングス256億円
10位シグマクシス・ホールディングス173億円
11位山田コンサルティンググループ164億円
12位INTLOOP131億円
13位コアコンセプト・テクノロジー121億円
14位タナベコンサルティンググループ117億円
15位フロンティア・マネジメント79億円

また、過去6年間の時価総額と売上総額の合計推移は以下の通りとなり、売上額の増加率よりも時価総額の増加率の方が高いことがわかります。

2023年3月時点の時価総額が前年同時期比で落ちておりますが、これは全体におけるインパクトが大きいNRIが自己株式を消却し時価総額が落ちた影響と考えられます。これについては、NRIの2022年3月末時点の発行株式数に2023年3月末時点株価を乗じて試算をしてみたところ、2023年時価総額合計は2022年よりも増加しております。

過去6年の時価総額、売上額の合計推移

上場コンサルティングファームの時価総額と売上総額の推移_2018-2019

*“IR BANK”や“株探”で過去の数値を参照できないケースでは、各社の有価証券報告書記載の3月末発行株式数と株価より算出
*ベイカレントについては2月決算となるため、2月末時点の発行株式数から算出
*時価総額と売上の合計額から2018年以降に上場したフロンティア・マネジメント、シンプレクス、Intloop、コアコンセプト・テクノロジーは除外

コンサル業界と日本の経済の関連性について

過去の時価総額の推移を踏まえて、日本経済の中でコンサル業界がどのような立ち位置なのかを知るために、日経平均株価や日経時価総額(日経平均構成銘柄の時価総額)のデータと比較して見てみることとします。

日経平均株価と日経時価総額の推移

日系時価総額と日経平均株価の推移_2018-2023

*参照サイト:https://indexes.nikkei.co.jp/nkave/archives/data?list=tmc

先ほどの「過去6年の時価総額、売上額の合計推移」のグラフと比較すると、ある程度の傾向が読み取れます。2021年以降の日経平均株価や日経時価総額は大きく伸びていないのに対して、コンサル業界時価総額合計の伸び率は高いものと言えます。NRIの自己株式消却がなければ、グラフ上でも明確にそれが表れていたはずです。

これは、コンサル業界が景気連動の高い業界であることの表れに加え、そもそもコンサルへのニーズが年々高まっていることが要因と考えられます。詳細はこちらの記事で述べております。

気になる大手外資コンサルファームの時価総額

ここまで国内のコンサルファームの情報をご紹介してきましたが、大手外資系ファームで上場している企業はないのか?上場しているとしたら時価総額は?と気になる読者の方も多いのではないでしょうか?

本稿のスコープから外れるので網羅しておりませんが、上場している2大企業(アクセンチュア・IBM)の時価総額を2023年3月31日時点で算出してみました。

企業名株価(USD終値)発行数(株)時価総額
Accenture285.81     630,800,00023兆9,405億円
IBM131.09911,010,00015兆8,583億円

*為替は2023年3月31日時点終値である1USD=132.79JPYで算出しております

2社とも国内トップのNRIが足元にも及ばないほどの大きさの時価総額となっています。特にアクセンチュアの時価総額は、日本でトップのトヨタ自動車の時価総額約30兆円(23年3月末時点)にも迫るものと言えます。なお、2023年8月21日時点ではアクセンチュアは約29兆円、トヨタは約38兆円の時価総額となっています。

まとめ

本稿では、上場しているコンサルファームの時価総額や売上額をご紹介いたしました。これらのデータからもコンサルティング業界の拡大と好調さは見て取ることができます。その他の記事でも述べておりますが、IT案件及びDX案件に引き続き大きなニーズがあり、それらが要因になっています。

また、ここ数年はサステナビリティテーマの盛り上がりもコンサル業界の成長に寄与しています。SDGsが世間に浸透していくのにあわせ、大手企業を中心にESG投資(環境、社会、統治の3つの観点で企業の持続可能性を評価する投資法)などへの対応を注力するようになってきています。コンサルティングファームがもつESGやSDGsへの取り組み知見に対するニーズが今後も伸びていくと考えられます。

日本経済全体の成長が鈍化する懸念はなくなりませんが、それでもコンサル業界はその影響をあまり受けずに伸び続けていくのではないでしょうか。

[v226]

執筆者

山中 悠太郎
山中 悠太郎コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 コンサルキャリアカンパニー
外資自動車メーカー2社を経験した後、コダワリにジョイン。
コンサルティングワークもこなす傍ら、人材紹介事業の事業責任者やコダワリの人材開発業務や採用統括業務など含めて幅広に従事。
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