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コンサルタントって、どのくらい稼いでるん?|ファームの種類別に平均年収を比較
コンサルティング業界の平均年収は970万!中でも戦略系はケタ違い?
近年、コンサルティング業界は、その年収の高さも魅力となり、ハイクラス人材の転職先として人気を博しています。しかし、コンサルティングに対するニーズが多様化・複雑化しており、かつコンサルティングファームの数も多いことから、全体像が掴めないという方も多いのではないでしょうか。そこで当メディアは、コンサルティングファームが得意とする支援領域ごとに分類したカオスマップを作成し、領域別の特徴などをまとめております。本記事ではさらに「年収」に焦点を絞り、コンサルファームの種類ごとに異なる平均年収を比較しました。
年収は、就職活動や転職活動をされる方々にとって非常に気になる点の一つだと思いますので、参考情報として是非ご覧ください。とはいえ、年収だけで企業選びをするべきではなく、同じ領域の中でも企業ごとに強みとする箇所は異なっていたり、企業ごとの色が理念や企業風土に反映されていたりするため、企業研究を怠らず理解を深めた上でアプライするべきであることは申し添えておきます。
目次
コンサルファームの年収額とカオスマップの見方について
年収額について
本記事では、コンサルティング領域ごとに「初年度年収」「平均年収」「マネージャー以上の年収レンジ」を一覧にまとめ、比較できるようにしました。記事の最下部に掲載しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
取り扱う情報は、当サイト運営会社のこれまでの知見(転職支援実績、フリーランスコンサルタントや大手ファームに所属する様々な知人からのヒアリング)、各企業のホームページ、口コミサイト(Openwork・カイシャの評判など)から情報を収集し、平均値もしくはレンジを算出したものとなります。複数のデータから平均値を取って記載をしているため、一定の正確性は担保されておりますが、実態につきましてはご自身でご確認ください。
カオスマップの見方・ポイント
カオスマップとは、特定業界における事業者を、項目に応じてカテゴライズした「業界地図」です。当社が提供している「コンサルティング会社 カオスマップ」では、コンサルティングファームの得意領域を7つに分類し、さらに詳細に中分類区分を設けています。
コンサルティングには様々な領域があり、DX推進需要の拡大などにより各社が手掛ける領域がより複雑化する中で、今のコンサル業界を直感的に捉え、業界構造をわかりやすく把握できるように作成しました。
・複雑化する分類を、より実態に沿うように大分類・中分類にカテゴライズ
たとえば、「業務」系は、トップライン向上や業務効率化などを軸とする「ビジネス」と、ITサービス導入支援を軸とする「IT」に細分化しています。
・明確に線引きできない得意領域を矢印で表現
マップ上の矢印はカバーする領域を示します。矢印上にある企業群は同じ領域に属しますが、位置は順不同であり分類に沿うものではありません。
※弊社調査に基づき主たる領域を示していますが、実態はご自身でご確認いただくことをお勧めいたします。マッキンゼーなどもデジタル部門を作るなどしておりますが、少々領域をカバーしている程度の場合には入れないようにしております。
※当カオスマップを転載及び使用する際には、必ず出典として当記事のURLを載せていただくようお願い致します。
※当カオスマップ記載のロゴにつきましては、事前に各社様に事前許諾を得ていないものがございます。当マップへの掲載に問題がある場合は、大変お手数ですが「お問い合わせ」 よりご連絡ください。速やかに修正させていただきます。
カオスマップや掲載企業についての詳細、2023年の業界考察については以下記事をご覧ください。
また、7つの領域ごとの入社難易度や働き方については別記事でまとめておりますので、あわせてこちらもご確認下さい。
カオスマップのコンサル業界分類と年収レンジ
総合系コンサルティングファーム
※総合系とされるだけあり幅広い領域をカバーしているため、カオスマップ上には分類区分はありません。
●年収について
総合系コンサルティングファームの新卒初年度平均年収は「510万円」、平均年収は「870万円」になります。新卒年収の高さを考慮すると、想像より平均年収が低いと感じた方もおられるのではないでしょうか。この理由としては、アナリスト呼ばれる若手の大量採用が平均年収を押し下げているものと思われます。
しかし、優秀な学生確保のために初任給も年々増加しており、コンサルティング業界の急成長に伴って、今後も変化していくのではないでしょうか。
●支援内容
戦略、組織人事、業務、ITまで一貫してサービス提供を行います。Big4は一部戦略やFAS領域もカバーしています。総合系コンサルティングファームが扱う課題は多岐にわたるため、以下のようにチームを分けているケースが一般的です。
・インダストリー別(金融、製造、通信、エネルギー公共機関等)
・ファンクション別(戦略、会計、人事組織、SCM等)
この形態をとるコンサルティングファームでは、配属されたインダストリー・ファンクション関連の案件に携わることが基本です。業界構造・業界トレンドなどへの深い理解や、仕事内容に対する専門知識が必要不可欠になります。そのため、新卒からコンサルティング畑で仕事をしている方だけでなく、前職の経験を活かし、事業会社からコンサルティング業界へ転職をする方も多い印象です。
戦略系コンサルティングファーム
●年収について
戦略コンサルタントの新卒初年度平均年収は「620万円」、平均年収は「1270万円」になります。コンサルティング業界全体の平均年収が「930万円*」であることから、非常に高い水準にあると言えるでしょう。
*当社調べ。コンサルティングファーム51社の平均年収ら割り出した、平均値になります。
厳しいUp or Outの環境を這い上がり、マネージャー以上になると「2000~2500万」付近のレンジに差し掛かります。チームマネジメント、そしてプロジェクトに対する成果への責任を負いますが、成果が色濃く報酬に反映されるため、パートナークラスでは億越えもあるあるです。
●支援内容
企業の上層部をクライアントとし、会社の上流領域にあたる意思決定への助言をすることが支援内容になります。
・事業戦略立案(成長戦略の策定・マーケティング戦略・既存事業のグローバル進出等)
・新規事業立ち上げ検討(新製品・サービス開発検討、市場への新規参入の可否等)
・ビジネスモデルの転換(DXの活用、組織構造や業務の変革等)
などが挙げられます。将来を見越した中長期的な視点でアドバイスを求められることが多く、難易度の高い仕事だと言えます。
▷戦略コンサルとは?を事例を交えて徹底解説している記事はこちら
業務(ビジネス)系コンサルティングファーム
●年収について
業務(ビジネス)系コンサルティングファームの新卒初年度平均年収は「420万円」、平均年収は「810万円」になります。戦略系や総合系コンサルティングファームと比較すると見劣りするものの、新卒の平均年収「220~240万」と比較すると、非常に高い水準と言えるでしょう。
●支援内容
クライアントの現場に即した案件が多いため幅広いテーマを扱いますが、主な支援領域は、売上向上や業務フローの改善、コスト削減等になります。近年では職場へのITシステム導入が急用の経営課題となっており、ITに専門領域を持つITコンサルタントとの連携が必須と言えるでしょう。また、インダストリーやファンクションでチームを分けている場合が多いです。
▷業務(ビジネス)コンサルとは?を事例を交えて徹底解説している記事はこちら
業務(IT)系コンサルティングファーム
●年収について
業務(IT)系コンサルティングファームの新卒初年度平均年収は「390万円」、平均年収は「710万円」になります。他の領域と比較すると少し見劣りしますが、これは営業やエンジニアなどの職種まで合算されていることが理由だと考えられます。
実際、ITコンサルタントへの需要は大きく、フリーランスで活躍し年収1,500万円を超える人も少なくありません。IT関連の案件は増加傾向にあることや、IT領域への高い専門性が求められることから、今後も一定の高年収が維持されると推測できるでしょう。
●支援内容
企業が抱える様々な課題をITで解決するために、IT戦略の策定(上流)からクラウドの導入・システム開発(下流)まで行います。ファームによっては、上流または下流どちらかにフォーカスしていることもあります。現在のDX化の流れを受けてIT投資を検討する企業は多く、コンサル業界の中で最もニーズのある領域の一つと言えるでしょう。
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シンクタンク系コンサルティングファーム
●年収について
シンクタンク系コンサルティングファームの新卒初年度平均年収は「300万円*」、平均年収は「930万円*」になります。「研究」に分類される専門性の高い業務内容もあり、給与水準は高めと言えます。しかし、マネージャ以上で1,000万はいくものの、あくまで日系大手企業の枠に収まってしまうため、実績を積み上げパートナークラスになっても数千万、億越えというのは望みづらいところです。
*本記事では民間系シンクタンクの情報をまとめております。
●支援内容
官公庁や地方自治体、民間企業からの依頼を受け、リサーチや分析、政策提言などを行います。親会社や関連企業向けに戦略策定支援やITコンサルも行います。
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FAS(M&A)系コンサルティングファーム
●年収について
FAS(M&A)系コンサルティングファームの新卒初年度平均年収は「530万円」、平均年収は「1030万円」になります。公認会計士・弁護士などの有資格者が多く非常に専門性の高い領域であることに加え、業界知識や経済情勢等あらゆる知見を要する難易度の高さから、コンサルティング業界の中でも高いと言えます。
●支援内容
M&A支援やDD,PMIなど企業買収に関わる一連の支援の際に、財務・会計の観点から助言を行うことがメインの業務内容になります。代表的な業務としては、以下の様なものが挙げられます。
・DD(M&A先の企業を、法律や財務の観点で調査)
・バリュエーション(企業価値の分析と推定)
・PMI(買収先と買収元企業の統合を、経営・業務・意識の面でサポート)
▷FASコンサルとは?を事例を交えて徹底解説している記事はこちら
FAS(事業再生)系コンサルティングファーム
●年収について
事業再生コンサルティングファームの新卒初年度平均年収は「440万円」、平均年収は「1030万円」となります。事業再生を行うファームが大企業向け案件を主として扱うのか、中小向けなのか、またはハンズオン支援を行うのかによって年収レンジは大きく変わってきます。
●支援内容
経営環境の変化により業績不振や債務超過に陥っている企業を、健全な経営状態へと戦略的に導くことが主な業務です。窮地に陥っている事業にメスを入れ、経営を立て直しするだけでなく、その後の成長支援まで行います。
▷FASコンサルとは?を事例を交えて徹底解説している記事はこちら
組織・人事系コンサルティングファーム
●年収について
組織・人事系コンサルティングファームの新卒初年度平均年収は「520万円」、平均年収は「1,000万円」です。経営の根幹となる組織戦略や人材戦略を扱うファームや職種ですと難易度も高く年収レンジは高くなりますが、研修や採用支援が中心となると難易度と比例して年収レンジも低くなる傾向にあります。
一方で、人事領域のDX化、人的資本経営の取り組みやDEI(多様性・公平性・包括性)の重要性が高まっているため、組織人事領域の需要も年々増加し、年収の伸びも期待できそうです。
●支援内容
企業の基盤となる、「ヒト」という領域に対して包括的なコンサルティングを提供しています。以下の様なテーマを扱います。
・人事制度の構築・改善 (評価制度、賃金制度、労働時間、就業規則等)
・組織構造の改革 (人員配置、社内コミュニケーション、ビジョンの策定・共有等)
▷組織人事コンサルとは?を事例を交えて徹底解説している記事はこちら
領域ごとの年収一覧
領域ごとの年収一覧
初年度年収(新卒) | 平均年収 | マネージャー以上 | |
1,総合系 | 510 | 870 | 1,200~ |
2,戦略系 | 620 | 1,270 | 2,000~ |
3,業務(IT)系 | 390 | 710 | 1,200~ |
4,業務(ビジネス)系 | 420 | 810 | 1,200~ |
5,シンクタンク系 | 300 | 930 | 1,000~ |
6, FAS(M&A)系 | 530 | 1,030 | 1,200~ |
7,FAS(事業再生)系 | 440 | 1,030 | 1,000~ |
8,組織・人事系 | 520 | 1,000 | 1,200~ |
※単位万円
まとめ
今回は、コンサルティングファームの領域ごとの年収についてご紹介しました。コンサルファームの年収に関する調査結果から、
・コンサルティングファームは一般企業と比較すると、圧倒的に高収入である。
・コンサルティング領域の中でも、プロジェクトの難易度や専門性によって年収に開きがある。
ということが言えそうです。
多くのコンサルティングファームにおいて、マネージャーの役職までプロモーションすると、1,200万円以上、ディレクタークラスでは2,000万円以上となるのが一般的です。求められるスキルや経験のハードルは高いですが、典型的な大手日本企業の給料の枠組みを超えるような年俸を稼ぐこともコンサル業界では普通のことです。
ここまで年収にフォーカスを当ててきましたが、それはキャリアを決定する上での一つの要素にすぎません。「ご自身が今、何をすることが出来るのか、やりたいこと、成し遂げたことは何なのか」という自己実現の側面をおろそかにせず、自己に問いかけることが大切なのではないでしょうか。それらを総合的に考慮して、納得のできるキャリアを形成して頂ければと思います。
各領域に関して、年収以外の部分を知りたい方はこちらで詳しく解説をしています。是非ご覧ください。
また、当社ではコンサルに特化した転職相談やフリーランス向けの案件紹介サービス、副業をしたい方への支援も行っております。今後のキャリアについて相談したい方は是非お気軽にお問い合わせください。
現役コンサルからフリーのコンサル、事業会社にお勤めの方まで、あなたのステージに合った働き方をご支援します。お問い合わせは▶▶▶こちらからお気軽にご相談ください。
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執筆者
-
外資自動車メーカー2社を経験した後、コダワリにジョイン。
コンサルティングワークもこなす傍ら、人材紹介事業の事業責任者やコダワリの人材開発業務や採用統括業務など含めて幅広に従事。
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