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EYの歴史|コンサルティングファームの歴史
過去、コンサル事業はキャップジェミニに売却の歴史あり
今回はBig4の1つであるEYの歴史についてまとめております。これまでDTC、KPMGやPwCの歴史について解説してきましたが、EYは比較的複雑ではなく、理解がし易いものとなっています。日本におけるコンサルティングの歴史も2010年からとなっておりシンプルです。
近年、EYはコンサル部門と監査部門を分離するプロジェクトを推進してきましたが、先般、検討プロセスの中止を発表しました。プロジェクト中止に至る経緯において、将来的には事業切り離しの可能性を否定しないと含みのあるコメントも発表しております。今後、新たな歴史は刻まれるのでしょうか。
目次
EYの歴史年表
(■グローバル ●日本 / ◇アーンスト・アンド・ウイニー △アーサー・ヤング)
1849年 | ■◇ EYの前身として最も古いハーディング&プレインがイギリスで開業。同年にフレデリック・ウィニーが事務所に参画し、後年パートナーとなる。後にフレデリックの息子も参画しパートナーとなる |
1894年 | ■◇ 事務所の名称をWhinney, Smith & Whinneyに変更する |
1903年 | ■◇ A.C.アーンストが兄とともに会計事務所Ernst & Ernstをオハイオで設立 |
1906年 | ■△ アーサー・ヤングが会計事務所Arthur Young & Co.をシカゴで設立 |
1924年 | ■◇ Ernst & ErnstとWhinney, Smith & Whinneyが提携 ■△ Arthur Young & Co.がBroads Paterson & Co.と提携 |
1979年 | ■◇ Ernst & ErnstとWhinney, Smith & Whinneyが合併しErnst & Whinneyとなる |
1989年 | ■◇△Ernst & WhinneyとArthur Young & Co.が合併し、Ernst & Young(EY)が誕生 |
2000年 | ■ コンサルティング部門をキャップジェミニに売却 |
2010年 | ● 前身となるEYアドバイザリー株式会社設立 |
2017年 | ● EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社に名称変更 |
2020年 | ● EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社とEYトランザクション・アドバイザリー・サービス株式会社が統合し、EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社設立 |
EYの歴史の図説
EYとは
EYとは、アーンスト・アンド・ヤング(Ernst & Young)の略称で、読み方は「イーワイ」です。
ロンドンに拠点を置くアーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、世界150ヵ国における各メンバーファームは法的に独立した組織として事業を行っています。日本では、EY Japanとしてコンサルティング・監査・会計等のサービスを提供しています。
EYの歴史
EYの起源は、前身となった会計事務所をたどると1849年までさかのぼることになりますが、その名の由来となるアーンストとヤングの名前が出てくるのは、1900年代初頭となります。
1903年、米国でA.C.アーンストが兄とともにアーンスト・アンド・アーンストを、1906年にアーサー・ヤングがアーサー・ヤングを設立しました。
1924年には、アーンスト・アンド・アーンストがイギリスのウイニー・スミス・アンド・ウイニーと提携し、その後1979年にはアーンスト・アンド・ウイニーとなっています。アーサー・ヤングも1924年にイギリスのブローズ・パターソンと提携しています。
1989年、アーンスト・アンド・ウイニーとアーサー・ヤングが合併し、アーンスト・アンド・ヤング(EY)が誕生しました。
なお、2000年には監査部門との利益相反を懸念し、コンサルティング部門をキャップジェミニに売却しています。
その後、各国法人においてさまざまなタイミングでコンサル部門が復活していきます。日本では2010年にその歴史が始まりました。次に、日本におけるコンサル部門の歴史を見ていきましょう。
日本におけるEYのコンサルティングの歴史
現在EYにおいてコンサルティングを担うのは、EYストラテジー・アンド・コンサルティングですが、その前身は2010年に設立されたEYアドバイザリー株式会社です。
2017年には、EYアドバイザリー株式会社、EYフィナンシャル・サービス・アドバイザリー株式会社、新日本有限責任監査法人のアドバイザリー事業のサービスが集約されEYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社が設立されました。
2020年に、EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社とEYトランザクション・アドバイザリー・サービス株式会社が統合されて、現在のEYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社が誕生しています。
現在のEYが求める人材
現在のEYでは、「思考にもとづいた人材採用」を行っており、変化し続ける現代において成功するために不可欠な思考として、「革新する」「分析的に考える」「グローバルに行動する」の3つを挙げています。
また、求める人材として「コミュニケーション能力の高い人材」や「チーム意識、順応性のあるリーダー」にも言及しています。
さまざまなバックグラウンドを持つメンバーによる多様性のある組織づくりのため、オープンマインドと柔軟性を持ち合わせていることが重要です。
参照:私たちが求めているもの
まとめ
EYの起源は、1849年の会計事務所設立まで遡ることができますが、EYの名前は、1903年と1906年にアメリカで会計事務所を設立した人物に由来します。その後、提携と合併を繰り返し、1989年にEY(アーンスト・アンド・ヤング)が設立されました。
日本ではコンサルティングの歴史は比較的新しく、2010年のEYアドバイザリー設立から歴史がスタートしています。
現在のEYでは、多様性や柔軟性のある組織を目指すため、分析的思考・革新的思考・グローバルな考え方という3つの思考を持った人材が求められています。
このシリーズでは、コンサル業界のBig4であるEY・KPMG・DTC・PwCの歴史を解説しています。コンサル業界への転職やBig4への就職に興味がある方は、ぜひ基礎知識として参考にしてみてください。
当社では、Big4をはじめとするコンサルティングファームへの転職を支援しています。コンサルタントとしてのキャリアについてご相談がある方は、ぜひ「Consul Career」へお問合せください。
また、フリーランスコンサルタントと企業のマッチングサービスも提供しています。案件を獲得したいコンサルタントの方や、フリーランスコンサルタントをお探しの企業の方は「Consul Partners」にお問合せください。
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執筆者
-
外資自動車メーカー2社を経験した後、コダワリにジョイン。
コンサルティングワークもこなす傍ら、人材紹介事業の事業責任者やコダワリの人材開発業務や採用統括業務など含めて幅広に従事。
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外資自動車メーカー2社を経験した後、コダワリにジョイン。
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