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新卒でコンサルファームに入社するなら、Big4やアクセンチュアなどの大手?成長できるブティックやベンチャー?

新卒でコンサルファームに入社するなら、Big4やアクセンチュアなどの大手?成長できるブティックやベンチャー?

有名大手一択なのか?あえてブティックファームを選択するのはありか?それぞれのメリットとデメリットを考察。

最近では新卒でコンサルティングファームに入社する方が随分と増えてきました。初期のコンサルティングファームは入社難易度も高く、新卒よりも経験者を優遇していましたが、現在は新卒採用に力を入れるコンサルティングファームもかなり多くなってきています。とはいえ、ひと口にコンサルティングファームといっても、Big4やアクセンチュアのような大手ファームから、少数精鋭のブティックファームやベンチャーファームまで様々な企業があります。ここでは、新卒でコンサルティングファーム入社を目指す方々が、大手かブティックかを選ぶ際のメリット・デメリットを解説します。

ブティックファームとは何かについて解説した記事はこちら

大手ファームへ入社するメリット

ここでの大手ファームとは、いわゆる戦略大手のMBBや総合大手のBig4、他大手総合ファームを指します。新卒での入社難易度はかなり高く、特に戦略ファームについては一部の優秀層のみが入社を勝ち取っています。

このような大手ファームへの新卒入社のメリットとしては、大きく以下3点が挙げられます。

・ネームバリュー

ネームバリューのある企業に入るメリットは、大学の同期や友達などに自慢できるということもあるのですが、2社目へ転職する際の市場価値が高くなることだと言えるでしょう。新卒で入社難易度が高い企業に入れたポテンシャルのある人物として、一定の評価を得られるからです。一方で、その企業で何をしたのかも重要な評価軸となるため、社名だけに頼らない自身の努力が必要です。

・沢山の切磋琢磨できる同期

同期が多いこともメリットになります。企業によっては数百名の同期がいるため、切磋琢磨できる友人や何かあった時に相談ができるコミュニティがあるなど、安心感にも繋がります。会社によっては同期が多すぎて、顔も知らない人にプロジェクトで初めて会うなんてこともあるようです。笑

・企業にもよるが、高い年俸が得られることも

企業にもよりますが、特に外資戦略ファームや外資総合ファームの初任給は高いことが多いです。それは、お客様から求められるバリューの期待値がそれだけ高いという側面もありますが、より優秀な人材をアトラクトするためでもあります。高い初任給をもらって嬉しくない人はいないですよね。一方で、先にも触れたとおり、コンサルタントとしての単価が高くなりますので、新人だからという甘えは通用せず、最初からしっかりとした価値提供をしなければなりません。

特に戦略系では、使えない人材と判断されると離職せざるを得なくなる「UP or OUT」の風習はまだまだ強く、能力が足りない場合には稼働時間でカバーするなど、高い年俸と引き換えに相当程度の自走力と強いプレッシャーに耐えられるタフネスが必要とされることも頭に入れておくとよいでしょう。

大手ファームへ入社するデメリット

大手ファームにもデメリットはたくさんあります。特によく言われるのは以下3点です。

・長い下積み時代

コンサルタントになってすぐにお客様と交渉したり提案したりなどの華やかな仕事ができると想像する方が多いですが、実は最初はかなり地味な作業が多いという特徴があります。しかも、コンサル業界のお作法に則ってこなす必要があるため、出来るようになるまで何度も上長からやり直しを命じられることも多々。最初は会議の議事録やリサーチも満足にできず厳しいレビューを受けることになるのですが、この作業を行う期間が大手ファームの新人は比較的長いと言われています。

まずは基礎から、という考えのもと、丁寧に期間を作ってくれているともいえるのですが、中々先輩たちのようなやりがいのある仕事に移行できないと悩む新人も少なくありません。また、会社によっては入社してすぐ開発作業を学ばされるなど、コンサルに入社したはずなのに経験はSEになってしまった、なんてことも近頃よく聞く転職理由の一つでもあります。

・優秀な社員との差が開きやすい

新卒なので皆何もないところからのスタートですが、それゆえに向き不向きや持っている能力の差がよく見えるとも言えます。最初から優秀な一部の人は目立ちやすく、社内評価も高くなるため新しいチャンスを与えられる傾向にあります。チャンス=目立つのでさらに評価されるという好循環もでき、その一部の優秀層は早々に出世コース候補として社内で目をかけられる存在になります。一方で、それ以外の新人はそれを支える下の案件にアサインされることもあります。また、成長速度が遅めな方は同期に勝つための能力を身に着けるために、自分でかなり努力をしなければなりません。

・アサインが機械的に行われることも

戦略案件をやりたいと思って入ったが、IT導入のチームに配属された」「公共分野でSDGsや社会課題について解決策を提案したい思いがあったが、製造業の業務改革チームに配属された」など、膨大な案件を扱っている大手では配属希望が叶わないことが多くあります。会社の経営上仕方のないことではあるのですが、いわゆる運ゲーになることも少なくなく、理想と現実のギャップを感じる方も多くいるのが現実です。

ブティックファームへ入社するメリット

ブティックファームとは、社員数が少なくそれぞれに強みを持つ少数精鋭のファームを指します。大手に比べると知名度は高くありませんが、実は新卒で入社するメリットは多くあります。

・なんといっても成長スピードが速い

ブティックファームは社員数が少ないため、新人でも組織としてすぐ上にマネージャーがいるようなチームでプロジェクトにアサインされることが多々あります。優秀なマネージャー、パートナーと近い距離で学べる環境があるということになります。実践の場面で優秀なマネージャー、場合によっては大手で言うパートナークラスと直接仕事を経験でき、さらに案件での裁量が広く、人によっては大手ファームの2~3年目の仕事を既に1年目から経験できることも。

もちろん議事録やリサーチなどのアナリスト業務は叩き込まれますが、より上位の業務を早くから経験できることが多いため、成長スピードが速いと言われています。大手だと話すチャンスも中々ないベテランクラスのコンサルタントと一緒に仕事をすることで、仕事に対する向き合い方や身の振り方などを早々に習得できることも自身の成長につながります。

・教育が丁寧で社員同士の距離が近い

ブティックファームは丁寧な研修がないのでは?と思われる方も多いと思いますが、実際には、手厚い研修を実施する企業が少なくありません。社員が少ない=貴重な人材なので早く使える人材にしなければならない、という構図があるため、マネージャーや先輩コンサルタントの指導がしっかりしているのです。近頃は、研修やOJTのみならず、メンターの先輩が些細な悩みからプロジェクトの進め方まで、丁寧に教えてくれる会社も増えています。そのため、社員同士の仲が良く、フラットにコミュニケーションができる風通しの良い環境であることも。コンサルはサバサバしていてロジカルでクール、という印象が強いですが、意外にも温和な方が多いファームもあるのです。

・幅広い経験を積むことができる

少数精鋭でクライアントニーズに応えていくため、組織がインダストリーやオファリングなどで分業化されていないことが多く、様々な経験を積むことができます。特に、業界や領域を特化していない総合型ブティックコンサルでは明確であり、様々な領域(戦略から組織人事、業務、ITまで)や様々な業界のクライアント向けの案件を通して、経験の幅を広げることができます。ファームを選ぶ際には、総合型で様々な案件を行っている会社か、業界・領域特化型の会社かを見極めて、選択することも大事になってきます。

なお、総合型であれ特化型であれ、少数精鋭でクライアントに相対するため、クライアントとの距離が近く、自身の貢献を強く肌で感じられるというメリットはあります。さらに、案件に限らず所属する自社組織の経営や業務に携わる機会もあり、コンサルタントとしての経験に限定せずに色々と経験できるというポイントもあります。就職活動時点でやりたい事が見つからないため様々な業界・領域で活躍する機会が欲しい、コンサルタントのスキルを磨くため幅広い経験をしたい、と考えている方には魅力あるメリットかと思います。

なお、この3つのメリットは少数精鋭を売りにしているブティックファームにおいては顕著です。

ブティックファームへ入社するデメリット

ブティックファームにももちろんデメリットはあります。大きく以下3点が挙げられるかと思います。

・同期が少ない

大手と比べ、同期入社が少ないことがほとんどのブティックファーム。場合によっては1名~2名ということもあるため、同じ心持でいられる相手に出会いづらいかも知れません。研修やOJTも先輩に聞きながら行うため、最初は気軽に愚痴をこぼせる相手がいなくて寂しい、なんてこともあるかもしれません。

・受け身でいると成長できないことも

ブティックファームは成長性が高い一方で、ある程度自走してやりたいことを発信する必要があります。大手であれば次々と来たものを受けるというスタンスで過ごせることもあるかもしれませんが、自分のキャリアや成長を考える際に、ある程度自分でやりたいことやなりたい像を入社後見つけていき、そこに対して何をしたいか、どうなりたいか、を上長に発信することでキャリアを構築していくことができます。“まずは入社して色々経験したい”、でも問題はありませんが、自分でやりたいことや進みたい方向を示していくことでより高い成長が期待できると言えるでしょう。

・強い当事者意識とコミットメントが必要

少ない人数でクライアントに相対していますし組織運営をしていますので、新人であっても何かしらバリューを出すことが求められます。自分も少数精鋭の一員なんだという意識や、自分がクライアントに何を提供できているのかと考える当事者意識と、やり切るコミットメントが求められます。これをデメリットと感じるかどうかはその人次第ですが、ブティックコンサルのメリットの裏返しでもあり、メリットを享受するためには必須なこととも言うことができます。

まとめ

大手ファームもブティックファームもメリットデメリットはそれぞれですので、自分の考えに合った会社を選ぶことが大事です。また、会社選びも大事ですが、コンサルタントとして一番大事なのは、「〇〇社の自分」ではなく、自分自身にスキルを身に着けた上で「私は□□ができる人材です」といえる個人の力です。どこのファームに行こうとも、これが一番の価値となる職業ですので、目的を忘れずにキャリアを構築していくことが重要になります。

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執筆者

白木 美智子コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 コンサルティングカンパニー 営業
大手製鉄所協力会社の営業職、経理総務職を経験。別事業会社では採用マネージャーとして新卒および中途採用業務などを経験。
コダワリ・ビジネス・コンサルティングへ入社後は営業メンバとして現場を経験し、現在は営業部長として従事している。
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白木 美智子コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 コンサルティングカンパニー 営業
大手製鉄所協力会社の営業職、経理総務職を経験。別事業会社では採用マネージャーとして新卒および中途採用業務などを経験。
コダワリ・ビジネス・コンサルティングへ入社後は営業メンバとして現場を経験し、現在は営業部長として従事している。

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